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【英語学科で学ぶ人】異なる文化や価値観をもつ人たちとの協働から学んだこと

2020年に新型コロナウィルス感染症の流行が始まりました。その年の4月に入学した学生は現在4年生で、学生生活は残り半年です。困難の多い毎日だったと思いますが、どのように過ごしてきたのか、山田直子先生が4年生の白金楓さんにお話を聞きました。

 

Q(山田):白金さんはパンデミックの影響を最も受けた学年ですよね。大学に入学したものの通学できず、授業は全てオンラインになりましたが、その頃の学生生活はどうでしたか?

A(白金):当時は大変だったと思いますが、今では、あの時期があって良かったかなと前向きに捉えています。この時期に英語の勉強を集中して頑張りました。それから、自分を見つめ直す機会になりました。高校生の頃は部活と勉強で毎日がとてもハードで、ゆっくりと何かを考える余裕がありませんでした。コロナ禍では、本を読む習慣ができたり、その日にやることをTo doリストに書き出して取り組んだりしました。でも、当時はまだ自分がやりたいことは見つかっていませんでした。 

 

Q:2年生はどうでしたか?

A:2年生になっても初めのほうは変わらずで、ようやく、私の中で「これが面白い!」と思えたのが、2年生の12月に参加したインドネシアのダンスのワークショップでした。先生に時間が空いていたらボランティアをしてみないかと誘われて、「ボランティアだったらやってみようかな」という感じで学生スタッフとして関わりました。それまでは国際交流の機会があっても別に興味はなかったですし、自分一人でも参加しようという意欲はなかったです。友達が行くなら、一緒に行くかなくらいでした。この経験をきっかけに、自分が異文化の中へどんどん飛び込んでいくように変化したと思います。

 

Q:ワークショップのボランティアが自分にインパクトを与えたということですが、どんなことを感じたのですか?

A:とにかく英語でコミュニケーションをすることが楽しいと思いました。日ごろの授業では先生に指示されたことを話すという受け身の英語ですが、ボランティアの方はイベントを成功させなければいけない、その達成のためにコミュニケーションをするので、全く違いました。それから授業はネイティブの先生も日本語を話せるということを知っているので甘えがありますが、ボランティアでは日本語のわからないインドネシア人学生と協力しなければならないので、意思疎通ができることに喜びを感じました。またインドネシアの女の子と話をしてみると、私と同じようにK popが好きだと知りました。当たり前のことなんですが、「K popは韓国と日本の若者だけが楽しんでいるんではないんだ」と実感しました。そういった小さな発見も刺激的でした。英語を話すことで、共通点を見いだせたのが大きな経験です。

 

Q:その後はどんな活動に参加しましたか?

A:2年生の春休みにオンラインで行われたフィリピン研修に参加しました。もともとジェンダーには関心があったのですが、英語でフィリピンのジェンダーについて学んだり、意見交換をする機会が得られて充実しました。

 

Q:その後、白金さんは半年間の留学も経験しましたよね。いつ留学を考え始めたのですか?

A:留学したいと考えたのは、先ほど説明したインドネシアのダンスワークショップがきかっけです。その後、すぐに国際交流センターで長期留学について問い合わせをしました。そうしたら申請締め切りの数日前でした。本当にギリギリでした。その時、TOEICのスコアが取れていたので、その日の夜に親の承諾をもらって、翌日申請書を出しました。

 

Q:1年生の時から留学を考えていたわけではなかったのですね。すごいですね。コロナで外出が制限されていた時に英語の勉強をしっかりやっておいて良かったですね。アメリカでの留学はどうでしたか?

A:1学期間の留学でした。3カ月間、語学学校で英語を学び、その後、サービスラーニングをしました。ポートランドの3つの機関で、いろいろな活動に従事させてもらいました。アメリカ留学で学んだことは、経験することの大切さでした。自分の経験を通して考えて、その次に何を行うのかを考えて、そしてまた挑戦することの大切さです。

 

Q:現在4年生ですが、今年の夏休みには韓国への短期留学、インドネシアの短期留学も参加されました。2年生の12月まで異文化や国際交流に全く関心がなかったという言葉が信じられないのですが。学生生活で最も充実した経験を一つ挙げるならば何ですか?

A:なんといってもインドネシアのマラン大学で開催されたUM iCampに参加したことです。

 

Q:たった2週間なのにですか?どうしてですか?

A:純粋に「楽しかった」というのが一番の理由ですが、参加者は世界26カ国と、自分とは違う文化や価値観をもつ人たちがたくさん参加していて、とても刺激が多かったです。例えば、国籍や背景に関係なく参加者にアプローチする人ばかりで、同じ国籍で固まったりということがありませんでした。自分の目の前にいる人に対し自然に話しかける雰囲気がありました。それから、自分の行動を選択する時、「しなければいけないからする」とか「皆がやっているからする」というのではなくて、「やりたいからやる、楽しいからやる」という前向きの考え方に衝撃を受けました。将来の進路選択についてもそうですが、日本の場合は4年生で就活があたりまえですが、このキャンプに参加していた人たちは、自分はもっと勉強したいからオーストラリアに留学するとか、こうしたい、ああしたいという事を口に出していました。

 

Q:UM iCampを通して、自分とは異なる基準や物事へのアプローチに触れることができたということですね?白金さんは次に何をやりたいことが見えてきましたか?

A:はい、私が実現したいのは、世界1周です。このキャンプで世界中の若者と友達になりましたので、彼ら/彼女らの国を訪れ、その地の文化や価値観を学び、理解したいです。そのための第一歩として、海外での就職を目指して活動してきました。

 

Q:内定をいただいた企業でマレーシアへ派遣されることが決まっているそうですね。マレーシアは多民族社会ですので、現地ではさまざまな文化的背景の人とお仕事をすることになりますね。大学生活を通して培ってきたスキルや経験がきっと生かされると思います。頑張ってください!

 

 

*白金さんにこれまでの写真を見せてもらいました。

 

*白金さんのワーナーパシフィック大学留学中のレポートもご覧ください。

〇2022年9月 留学生活スタート

〇2022年10月   The worst month

〇2022年11月 My Portland life

〇2022年12月 アメリカ留学

〇2023年1月 Only one month left

 

*これまでの「英語学科で学ぶ人」もぜひ!