学長メッセージPresident's Message

筑女から世界を変える

 2023年6月20日に筑紫女学園大学の学長に就任いたしました南 博文です。(南学長プロフィール・略歴

 ようこそ、筑紫女学園大学へ。

 私たちの大学は、古都、太宰府のまち並みと宝満山を見晴らす眺めの良い丘の上にあります。
大宰府政庁跡、観世音寺、太宰府天満宮など、古代からの歴史を伝えるこの街には、国内はもとより世界各地からの訪問客が絶えず、さまざまな言語が飛び交っています。

歴史と未来が行き交う文化の交差点で、人間の多様性と成長の可能性を探る学びの場が、ここにあります。

時代が大きく変わる中、自律し、他者との共存を図るやわらかい知性と感性を備えた女性の存在は、この社会の中に〈ケアの精神〉を根づかせていく上で欠かせません。「女子大学」の定義もその役割も時代と共に変わっていきます。私自身、学長となって感じる素朴な疑問や気づきを忘れずに、「初めて世界に出会う」ワクワクする気持ちと好奇心で、この大学の良さを見つけ、発信していきたいと思っています。

 では、ここはどんな場所か。

第一に、自己肯定感をはぐくむ場所です。「わたしの好き」を起点にして、何でもやってみよう精神でどんどんチャレンジしていくことを応援してくれる。自己を肯定するには、あなたを肯定する他者の存在が欠かせません。互いを認め合う他者とめぐり合うことのできる場所です。

第二に、仏教、とりわけ浄土真宗の教えを基盤にもつ大学です。自律・和平・感恩という3つの校訓をより合わせていく中で、人生の複雑な問題をなんとかやりくり(manage)していくことを教える。同時に、そのような精神的基盤の中で、心理的安全性、安心できる環境が自然と培われています。

第三に、あたらしいカリキュラムが始まったばかり。「人に寄り添うひとを育てる」をコンセプトにSDGsの考えも取り入れる科目の編成を行っています。一本の価値基準で誰かを誰かと比べる、比較にもとづく価値の見定め方でなく、その人がその人としてもつ、固有な価値に気づき、それを伸ばしていく。そうした「存在価値」を大切にする学びの場です。

これからも変わっていく。
筑女から世界を変える。
しなやかでゆるぎない、命がそだつ場所にしていきます。

筑紫女学園大学 学長
南 博文