海外留学レポートReport from Overseas

留学生活のスタート

Mar . 2019

 私が日本を離れ、今までとは違う新しい環境「上海」での生活を始めてから約一ヶ月の月日が経った。留学生活はまだ始まったばかりである為、慣れない事だらけではあるが、毎日がとても刺激的で、有意義な生活を送っている。

 私たち上海組は、他の留学組より遅めの出発となる2月26日の午後に飛行機に乗り、上海へと向かった。約1時間半のフライトの後、入国審査を受け、荷物を受け取り、自動ドアを出るとそこには、目印となるカードを持ち、誰か探している人々や名前を呼ぶ人々で溢れていた。そんな大勢の中から私たちがこれから1年間通うことになる「上海杉达学院」と書かれたカードをすぐ見つける事が出来てほっとした。私たちはてっきり大学の学生の方が出迎えてくれると思っていたが、そこに立っていたのは笑顔の素敵な運転手のおじさんであった事に少し動揺するも、カードに書かれた大学名を見て、遂に留学が始まるんだという期待が膨らんでいった。車に乗り込んだ後、運転手のおじさんに早速中国語で話しかけられた。何を言っているのかさっぱり分からず、頭に沢山のハテナを浮かべていると、おじさんは諦めてどこかへと行ってしまった。それから1時間程車内で待っていると、別の女の子と一緒に戻って来た。その子は半年間だけではあるが、共に中国語学んでいく日本人学生だった。おじさんはどうやら私たちに、「東京から別の学生が来る」という事を伝えたかったらしい。そんな事よりも初日から新しい友達が出来た事が嬉しかった。大学に着くと、日本語の話せる先生に出迎えられ、部屋の鍵や大学の学生カードを受け取り自分の部屋に荷物を運んだ。鍵を開けて扉を開くと、冷蔵庫やテレビ、エアコンはもちろん、冷水と温水が出るウォーターサーバーまで設置されており、1人で生活するには十分すぎる部屋だった。大満足だった。その後、先生の奢りで私たち留学生3人は大学内にある飲食店で担々麺を食べた。本場の担々麺には私の苦手なパクチーが入っていたが、それでさえも上海に来た事を実感させ、嬉しく感じた。食事中は、これから一緒に頑張っていこうね、そんな会話をしながら夕食を済ませ、それぞれの部屋に戻っていった。

 上海に着いてからの一週間は、携帯会社との契約や銀行の口座開設、健康診断等、やらなければいけない事が沢山あり、バタバタする日々が続いた。当然の事だが、耳に聞こえてくる言語は全て中国語か英語、「本当に留学に来たんだ」という実感が更に湧いてくる。それと同時に、「1年後、自分は本当に中国語を理解できるようになっているのだろうか、話せるようになるのだろうか」という不安も出てきた。ネイティブの人々は話すスピードや勢いが尋常じゃない。その早さでしっかり会話が成り立っている事が驚きだった。しかし、本場の中国語会話を身近で聞く事で、私も必ずいつか…と、改めて自分の意思を固めることの出来た1週間だった。

 3月4日から授業は始まった。授業科目は、「中国語会話表現」、「中国語リスニング」、「中国語読み書き」、「HSK対策」の4種類、授業時間は90分。1日平均2限、どんなに遅くても14時10分に学校が終わる。すごく早く感じるが、学校が終わると疲労感がどっと出てくる。一番の理由として、当然だが、授業中は基本中国語オンリーで進んでいく。その為、少しでも聞き取れないとつまってしまい、説明に一段落が付くまでドミノ倒しのようにその後の説明が何一つとして入ってこなくなり取り残されてしまう。そうならない為にも、授業中は集中力を高め、全ての説明を拾う勢いで授業に臨むようにしている。また、発言する場面ではしっかり発言し、先生から直接指摘してもらうようにしている。語学を学ぶ時は、とにかく発言するのが大事だと言うが、これは一昨年、私が「夏期の南開大学研修」に参加した際に改めて実感した事だ。間違っていても恥ずかしがらずに発言する事で、リスニング力も上がり、身に付くスピードが全く違った。これらの事に心がけながら受ける授業後は、「疲れた」の一言に尽きる。午後は課題を済ませ、授業の復習と予習をする。それらが終わったら、授業内で出てきた単語を覚えたり、自分で文章を作ってみたりして、「自主学習」をするようにしている。また時には、友達と近くのショッピングセンターに買物へ出かけたり、上海杉达学院に通う日本語学科の学生達と一緒に上海の観光地やショッピング通りに行ったりもした。各箇所、半日では回りきれない程、魅力が沢山ある為、また週末など時間がある日を利用して行きたい。

 13日には、上海杉达学院から筑紫女学園大学に留学している学生の子達と久しぶりに再会し、一緒に遊びに行った。今までは日本で会っていた為、上海で会うのは少し不思議な気分だったが、会話も弾み、更に上海の魅力を沢山知る事ができ、とても充実していた。この日の夜、私は久しぶりに上海の夜景を見た。上海と言えば夜景がとても有名だが、改めてその美しさに感動した。大学からもそれほど遠い距離ではない為、また気分転換がてらにでも行きたいと思う。

 上海に来てからの約1ヶ月間、楽しい事や嬉しい事もあれば、同じくらい辛い事や悔しい事も沢山あった。体調もあまり良いとは言えないが、とにかく1日たりとも無駄のない留学生活にしていきたいと思う。その為にも、まずは自己管理をしっかり行い、語学学習にも真剣に取り組み、中国にいるからこそ出来る沢山の経験をして、1年後必ず成長し、日本に帰れるよう頑張っていきたい。