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【海外研修】カンボジア研修での学び

今年度から始まった英語学科主催の海外研修「カンボジア研修―女性と平和」を、2月末~3月上旬に12日間にわたって実施しました。この研修には英語学科の1年生から3年生までの6人が参加し、山田直子先生とクリスティ・プロヴェンザーノ先生が企画・引率を行いました。また、福岡県の「世界に打って出る青年育成事業」の支援を受けることができました。

 

◆女性◆

学生たちは、Daughters of Cambodiaを訪れました。この団体は、生きていくために売春をしていた女性たちに、自立のための知識と場所を提供しています。学生たちは、自分と年齢が変わらないような若い女性が体を売るしかない現実にショックを受けたようです。女性たちが作ったグッズをたくさん購入してきました。この代金はカンボジアに送って支援の一助とするとともに、来年の研修でグッズを購入する資金に充てる予定です。その他にも、女性があらゆる相談を気軽に出来るWomen's Resource Centerや、カンボジア内戦で失われそうになっていた織物の伝統を女性たちが受け継ぎ、活性化しているIKTT (クメール伝統織物研究所)を訪ねました。IKKTは日本人の森本喜久男氏が設立した団体で、現在も日本人スタッフが働いています。学生たちは、日本を飛び出してカンボジアの人々と協働する人に会い、とても刺激を受けたようです。

 

◆平和◆

カンボジアはポルポト政権時の内戦で、4人に1人が拷問を受けて殺害され、教育や産業が壊滅しました。その悲惨な歴史を記録するトゥールスレン虐殺博物館と、虐殺の場であったキリングフィールドを訪れました。ガイドさんの話を聞き、奇跡的に生き延びた男性に会って、その壮絶な事実について知りました。日本における沖縄戦や、現在世界で起きている紛争や戦争のことにも考えが及び、平和な日々は当たり前でないこと、世界のために自分ができることなどについて、深く考える一日となりました。

 

◆福岡県◆

この研修は、福岡県の「世界に打って出る青年育成事業」の支援を受けましたので、学生たちは福岡県のことをカンボジアの人に知ってもらおうと、現地の大学を訪れて「太宰府天満宮」と「八女茶と福岡のお菓子」についてプレゼンテーションをしました。「太宰府天満宮」をプレゼンしたグループは、神道について、神社の参拝の仕方、おみくじなどについて説明しました。このプレゼンテーションのために、太宰府天満宮IKKYU如水庵のみなさまに温かいサポートをいただきました。おいしい八女茶の茶葉と筑紫もちも提供していただき、カンボジアの大学生に味わってもらうことができました。本当にありがとうございました。

 

◆交流◆

参加した学生たちは、カンボジアでたくさんの人と交流しました。国際学会でカンボジアの大学生と一緒にファシリテーターとして学会運営に携わったり、Daughters of Cambodiaなどの団体の方やガイドさんたちから多くのことを教わり、質問をしました。交流をする中で、学生たちは文化や言語の違いを相手とともに乗り越え、考えや気持ちを共有することを学びました。英語でさまざまな人たちと交流することで、英語を学ぶことの目的や重要性を再確認したようです。

 

たくさんの刺激的な学びや、価値観が揺さぶられるような体験をして、学生たちの視野や大きく広がったようです。研修の成果は、1年生のインテンシブ研修でも共有してくれました。話を聞いた1年生も、これからの大学生活やキャリアの選択に生かしてくれることでしょう。

 

 

*カンボジア研修に関する過去の記事もご覧ください。

 

 

*学科インスタグラムでもカンボジア研修をご紹介しています。