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公開講座「怪異と日本人の心の風景」の第1回目を開催しました

11月10日(土)、太宰府市いきいき情報センターにて、公開講座「怪異と日本人の心の風景」の第1回目を開催しました。講師は日本語・日本文学科の森田真也准教授です。本講座は怪異をテーマにして、全3回に渡って行なわれます。
今回のテーマは、「今、妖怪はどこにいるのか」です。民俗学の視点で、過去から現代まで伝承されてきた妖怪の姿から日本人の民間信仰、さらには心の在り方を見直すことができるとお話しくださいました。
まず、「妖怪のとらえ方」について、近世と近代とでは妖怪がどのように捉えられてきたのか、その違いについて解説がなされました。近世では近代と違って怪異だけではなく自然現象など説明のつかないものを広い概念として「妖怪」と呼んでいたそうです。また、「妖怪のイメージの変化」について、妖怪は当初、自然現象や事件・事故の理由付けや解釈として、「おそろしいもの」という抽象的なイメージでしたが、江戸時代には図像化され娯楽の対象として扱われ、キャラクター化されるとともに、具体的なイメージ化が進んでいったとのことでした。
続いて「現代社会の中での妖怪」が、私たちの生活にどのように関わっているのかを、実例を通して解説してくださいました。鳥取県境港市の「水木しげるロード」に代表されるように、現代社会ではメディアやアニメとの関わりによって妖怪がキャラクター化され、さらには観光や地域おこしなどにも関わるようになっています。
「科学が進歩している現代でも、人は神秘的なものに高い関心を持っています。人はどこかでそれを求めていて、妖怪には人の心に働きかける何かがあるのかもしれません。」と講義の最後におっしゃった森田先生の言葉が印象的でした。
講座終了後の質疑応答の時間では、何人もの受講者が積極的に質問をしておられ、講座に対する熱心さが伝わってきました。妖怪を民俗学の視点から見ることで、過去と現代社会とのつながりを知ることができ、私にとっても有意義な講座となりました。
(報告:現代教養学科1年 元村菜津美)