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公開講座「アジア塾」②を開催しました【生涯学習センター】

10月13日(木)、太宰府いきいき情報センターにおいて『アジア塾:アジア楽園めぐり-日本・インド・西アジアの理想郷-』の第2回目「インドにおける天界と極楽」が開催されました。今回お話をいただいたのは、インド哲学専門の小林久泰先生です。内容は、極楽浄土とは一体どこにあるのか、それはどんな場所なのかを中心に、名前だけは誰もが知っている、極楽浄土や天界について解説するというものでした。はじめは小林先生も受講者の方も緊張した様子でしたが、小林先生のインドでの経験談で場の空気が和みました。後半では受講者の方からの質問が飛び交い、納得の声が多く聞かれました。
極楽浄土の描写にはさまざまありますが、今回の講座では、「極楽は西方に位置する」を取り上げて進められました。極楽浄土の起源説には主にイラン起源説、ユダヤ起源説、エジプト・ギリシア起源説、インド国内起源説の4つがあります。これらのうち、どれかひとつに極楽の起源をしぼることは困難なため、これらすべてが複合して最終的に『阿弥陀経』などに見られる極楽観が形成されたと考えられること、古代人にとって日が沈む方向が「死」のイメージと結びついたのではないかということを説明されました。また、インド仏教における六道輪廻という世界観の中では天界の神々も死んでしまう存在だということ、極楽浄土はインドの最初期に見られるようなただ楽しい場としての楽園ではなく、悟りを目指すために用意された修行の場であることもお話されました。
今回のお話は、初めて触れる世界観で、とても新鮮で貴重なものでした。また、人間の死後の世界を想像するという、古代の人々の素朴な人間の感覚はとても奥深いものだなぁ、と感心することができました。
報告/アジア文化学科2年 中寿賀郁名(公開講座サポーター)
*今後の予定は、以下のとおりです。
③10月20日(木)
テーマ:「パラダイス」とエデンの園
講師:大津忠彦(文学部教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちらから↓↓↓↓
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