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公開講演会「水俣学のとびら」を開催しました【生涯学習センター】

6月25日(土)エルガーラホール7階多目的ホールにおいて、現代教養学科主催公開講演会「水俣学のとびら」が開催されました。
講師は原田正純先生です(前 熊本学園大学社会福祉学部教授、元 熊本大学体質医学研究所助教授)。
本講座では、熊本学園大学で「水俣学」を開講された原田先生を講師にお迎えし、総合テーマの水俣学について考えました。
「水俣学」とは、「水俣病事件を解決するために、これまでの学問のありかたを考え直して出てきた総合的な学問」だそうです。
原田先生は、「有機水銀が原因だと気づいても、どう説明すればいいか分からなかった」とおっしゃいました。メチル水銀によるものだという証明がはっきりしておらず、前例が無いからでした。水俣病以前は、「毒は薄めれば、毒でなくなる」という考えが主流でした。しかし、生物濃縮した毒は、「水俣病」という取り返しのつかない病気を招きました。原田先生は、「医学だけに丸投げしていたことが問題であった。社会的にも政治的にも、協力して水俣病に取り組まなければならない。」とおっしゃいました。
また、「何のために学問をするのか」ということを学びました。いろいろなことを知るためであったり、生活のためであったり、学問が楽しいと感じたりするためだそうです。学問をしていく内に、「効率よく短時間で終わらせよう」という考えが生じ、研究に関係しないものは省くようになります。それは、「命を大事にしない」ということにもつながります。学問をする上で一番大事なことは、「命をいかに大事にするか」ということだとおっしゃっていました。
受講者の方々は、原田先生の言葉一つ一つを熱心にお聴きになっていらっしゃいました。また、原田先生への質問の時間では、皆さん真剣に考えていらっしゃるようでした。
最後に、原田先生は、「今後とも水俣学をよろしくお願いします」と受講者の皆さんに託されました。
今回のテーマ「水俣学」というのは、水俣病の原因を探るだけではなく、「水俣病の被害から何を学ぶか」ということが大切だと分かりました。水俣学を通じて、これからの課題と解決方法を考えていくことが、被害者の救済につながり、「水俣学のとびら」が多くの方へ開かれるのではないかと考えました。
報告/短期大学部 現代教養学科1年 佐藤舞佳(公開講座サポーター)
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