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公開講座「第14回仏教文化講座「親鸞~その著述をめぐって」③を開催しました【生涯学習センター】

6月15日(水)に太宰府いきいき情報センターにおいて第14回仏教文化講座「親鸞~その著述をめぐって~③『親鸞聖人御消息』」を開催しました。
講師は、短期大学部現代教養学科准教授の栗山俊之先生です。
今回の講座のテーマは、「親鸞聖人御消息」についてです。「御消息」とは親鸞聖人が書かれた手紙のことです。親鸞聖人を学ぶ上で、消息の持つ意味は非常に大きいと栗山先生は仰いました。「親鸞聖人御消息」は全部で43通残っています。それらから、多くのことを学びとることができます。教えを誤解し、すべての人が救われるのであればどんな悪いことをしても救われると、いわゆる「造悪無礙」を説く同朋たちが現われます。彼らへ向けて親鸞聖人は、「信のしるし」として、悪を翻し、仏の願いを私の願いとして生きなければならないと諭されました。また、みんなが平等に尊ばれるという専修念仏によってもたらされる世界は権力者たちにとって不都合なものであり、弾圧が繰り返されるのですが、それに対して親鸞聖人は、弾圧は「よくあること」であり、真実が見えずに弾圧を繰り返す権力者ために「念仏せよ」と仰います。このような誤解や弾圧によって混乱を極める関東の教団に実子善鸞を派遣するのですが、善鸞は教えを歪め、権力者を使ってそれを広めようとし、同朋たちを貶め、混乱に拍車を掛けてしまいます。ついに親鸞聖人は善鸞を義絶するに至り、一言「悲しきこと」と記されました。また同朋たちに向けては、善鸞によって動揺したのは、あなた方の信が不確かだったからであり、そのことが分かったのは「よきこと」であったと述べられます。この他にも、同朋たちの様々な誤解に対して、「はからってはいけない」と教えられたこと等、晩年の親鸞聖人の姿を具体的に知ることができました。
先生は、盛りだくさんの内容を、笑いを交えながらの講義をしてくださいました。今、大学で学んでいますが、まだまだ知らないことがある親鸞聖人についてたくさん知ることができました。今回の講義で紹介された「御消息」から、厳しい人でもあり優しい人でもあった親鸞聖人の様々な表情を見ることができました。
報告/文学部アジア文化学科2年 柘真莉子(公開講座サポーター)
*今後の予定は、以下のとおりです。
④6月22日(水)
テーマ:『顕浄土真実教行証文類』
講師:小山一行(文学部アジア文化学科 教授)
⑤7月6日(水)
テーマ:『歎異抄』
講師:宇治和貴(人間科学部人間科学科人間関係専攻 講師)
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