お知らせNews

公開講座「『維新起原太宰府紀念編』の和歌⑨」を開催しました【生涯学習センター】

5月14日(土)本学1202教室において、公開講座「維新起源太宰府紀念編の和歌⑨」を開催しました。講師は本学文学部の赤塚睦男先生です。
江島茂逸『維新起原太宰府紀念編』には、江戸時代末期に太宰府へ流された尊皇攘夷派の五卿(三条実美をリーダーとした上級公家5名)の一部始終が書かれています。
この公開講座では、五卿の「排悶の詩歌」の意味を読み取ります。
『太宰府紀念編』の和歌には、憂いがあります。和歌は「敗れた者の心の訴え」だと考えられていました。五卿には、太宰府に来て「私たちはどうなるか分からない」という心の中にうねりがありました。それを訴えるために書いたものが「排悶の詩歌」です。
今回は端午の節句の和歌まで、読みました。
自然の風景と自分の心情を掛詞で詠んでいます。例えば、『名所の月』歌の「くまもなし」というところは、「月が雲に隠れることもない」ように「心も晴れて欲しい」という気持ちを表現しています。この和歌では、月と心を掛けていて、ぼんやり眺めている様子が思い浮かびました。
『冬川』歌では、自分の思いを川に例えて、「あなたに対する思いは、絶えなくて涙が流れている」と表現しています。好きな人に会いたくて泣いているという意味だと知って切ないと思いました。
赤塚先生は、和歌の説明をしているときに「実際は何も分からない」とおっしゃいました。だからこそ、意味を探っていくのが「和歌を味わう」ということではないかと思いました。今回の講座の和歌では、嫌なことがあって物思いに耽る様子が表されていて、目の前に広がる風景に心を動かされている印象を受けました。
受講した方々は、先生の話に深く頷いたり、感想を話される方もいらっしゃったりして、和歌の意味を熱心に探っていました。私はこの講座を受けて、有意義な時間を過ごすことができました。和歌の意味を知り味わうことができました。また受講したいと思いました。
報告/短期大学部現代教養学科1年 佐藤舞佳(公開講座サポーター)
*この講座の続編を11月に開催する予定です。
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html