お知らせNews

公開講座「笑いとコトバ③」を開催しました【生涯学習センター】

 10月16日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座「笑いとコトバ③こどものことばと笑い」を開催しました。
 講師は日本語・日本文学科 教授 牧野桂一先生です。
 本講座は、全4回を通して行われます。第3回目の今回は、子どものことばと笑いについて、子どもを取り巻く状況、子どもとことば、子どものことば、の3つが大きなテーマでした。
 はじめに、現代の子どもを取り巻く状況ということで、サンマ(三間)の抜けた現代社会であるとのことでした。これは①時間、②空間、③人間、の3つの間のことです。①の時間は「早く早く」「急いで急いで」で、このことばは子どもがあ母さんが言うことばの中で嫌いなことばです。例えばテレビを見ているとお母さんが「早くお風呂に入りなさい」と言い、嫌だからなま返事をしたら「早く入れ」とお母さんが言うことです。「早く早く」ではなくて「ゆっくり」でゆとりのある生活をし、人生を味わうことが大切とのことでした。②の空間は子どもの自然や遊ぶ場所が奪われていくということです。③の人間は核家族化により家の中からお年寄りがいなくなること、少子化によりきょうだいがいなくなること、人間関係の希薄化、とくにお父さんと子どもとのかかわりが希薄化しているそうです。人間関係の希薄化をなくすために人のかかわりを取り戻すことが大切とのことでした。
 つぎに、子どもとことばということで、子どものことばには、ステキなものや悲しいものなどさまざまな願いが込められています。また生活の中に子どもの笑いと大人の笑いが含まれているとのことでした。
 さいごに、子どものことばと笑いということで、子どもがつぶやくことの中や会話の中、子どもが観察したものの中など、子どもが実際に経験したことを話していることの中には、たくさんの笑いがあるとのことでした。
 まとめとして、笑いを生みだすゆとりのある生活をするために、①肯定的な受け止め(のろまな子どもはのろまではなくて慎重で丁寧なこども、よく動き回る子どもは意欲的に探索行動をする子ども)をしてあげること、②「早く早く」と急かさないで待ってあげること、③真剣にみてあげること、④よく子どもの話を聞いてあげること、⑤いつも微笑みを忘れないようにすること、が大切であるということでした。
 この講座では、たくさんの方々が受講され、笑いの絶えない講座でした。また子どもの書いた作文や子どもがつぶやいたことを文にしたものをたくさん紹介しながら子どものことばと笑いについて考えていきました。講座を受講しながら子どもから笑わせてもらうことは確かに多いなと思いました。子どもはいろいろなものを見たり聞いたり観察したことを素直に、真剣にことばにして話しているんだなと思いました。こどもが話していることにもっとちゃんと耳を傾けて聞いていきたいなと思いました。
                      (報告/発達臨床心理学科4年 入江愛美)
*今後の予定は、以下のとおりです。
④10月23日(土)
テーマ:沖縄の言葉と笑い
講師:森田真也(本学日本語・日本文学科准教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html