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公開講座「メディアと共に生きる現代社会~映像メディアをよりよく理解するためのメディアリテラシー~」③を開催しました【生涯学習センター】

 6月19日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、「メディアと共に生きる現代社会~映像メディアをよりよく理解するためのメディアリテラシー~第3回現代における映像メディアの王様ともいえるテレビについて」を開催しました。
 講師は本学英語メディア学科の吉野嘉高准教授です。
 本講座は全4回を通して行われます。第3回目の今回は、“テレビ離れ”をキーワードにして進められました。
 初めに、日本でテレビ放送が始まって50数年が経ちテレビは構造的変化をしてきていると言われました。社会への影響力の大きさからメディアの王様ともいえるテレビの骨格や体質に変化が生じているということです。
 日本では今、若者の層で“テレビ離れ”が広がってきているとのことです。現代の若者はテレビをあまり見ないで、インターネットを利用する時間の方が長く、20代男子のインターネットの利用時間が去年、ついに初めてテレビを抜いてしまいました。スポンサーは20歳~34歳の男女を主な広告のターゲットとしたいことが多いためテレビ局にとってこのことは死活問題となっています。
 スポンサーは販売に効果をもたらしているか分からないCMより、クリック数などでどれくらい販売に効果を結びつけたかが分かるネット広告に力を入れるようになってしまいました。そのことから、番組制作費が少なくなり現場に余裕が無くなりジャーナリズム精神を存分に発揮できる調査報道が手間ひまと取材費がかかるためにやりにくくなり、発表ジャーナリズムが増えるおそれがあることを指摘されました。
 現場に余裕がなくなったためか、失敗するリスクの小さい、一定の評価・実績が前提にあるマンガ・アニメのドラマ化が目立つようになりました。このことから、類似の番組が増加し、番組が陳腐化してしまい、視聴者の“テレビ離れ”に繋がっているかもしれないということでした。
 視聴者の“テレビ離れ”に対してテレビ局も“テレビ離れ” で収益の下落を補おうとしています。ドラマを映画化のほか、DVDやグッズを販売するなどの“放送外収入”に力を入れてしまうようになりました。また特に子供等を対象としてネットゲームに力を入れるようになりました。
 最後に多メディア時代に新たなテレビ像が誕生し、テレビを取り囲む環境・社会状況によりテレビの番組コンテンツは変わってくると言われました。
 1日に少なくとも1回は見るようなテレビがこのような状況に現代、置かれていることを知りました。いつも身近にあるテレビについて深く考えることができる講座となりました。
            (報告/日本語・日本文学科2年 塚元 あゆみ)
次回は、6月26日(土)に開催いたします。
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html