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公開講座「仏教入門~ブッダの生涯を通じて仏教を学ぶ~」①を開催しました【生涯学習センター】

 10月7日(水)久留米市生涯学習センター「えーるピア久留米」において、第15回仏教学研究室公開講義「仏教入門~ブッダの生涯を通じて仏教を学ぶ~」を開催しました。
 全5回にわたり、ブッダの生涯について学びます。
 講師は本学日本語・日本文学科准教授の宇野智行先生です。
 初回である今回は、「ブッダの誕生」がテーマで、ブッダが沙門に至るまでをブッダが生まれた時のインドの状況や環境を軸にお話しされました。
 まず、ブッダ誕生以前のインド思想ということで、バラモン教のシステムや考え方について話されました。バラモン教とは、ヴェーダ祭式を通して、供物を神々に捧げ、果報を受け取るという、願望成就型の宗教。現代の日本でも、バラモン教の思想に近いものが見られ、初詣などで多くの人がする行為が当てはまります。
 ブッダは、四姓制度(ヴァルナ制度)がすでに確立していた時代にシャーキャ族でクシャトリア階級という非常に高い身分の血筋と、バラモン教国家のもとで生まれました。「願望成就型」である、バラモン教的な思想を持つ、父王シュッドーダナの元に生まれますが、それを脱却する道を歩むため、バラモン教に対し否定的な考えを持つブッダは、沙門となります。
 また、バラモン教に対抗する人たちとして、ジャイナ教も紹介されました。このジャイナ教の開祖もブッダ同様に身分の高い人だったそうです。先生は実際にジャイナ教僧のもとに留学をされており、その時の体験談はとても面白かったです。先生の体験談から、ジャイナ教徒はベジタリアンであり、蚊も殺さず、雨季以外は3日以上同じ場所に滞在しないなど、どれほど不殺生・不所有を含む五戒律を守っているかが、よく分かりました。
 この講座で資料としても使われていた『ブッダチャリタ』という仏伝文学作品はブッダの生涯や仏教を学ぶ上でも参考になり、比較的読みやすいそうで、私も興味をもちました。
 この日は、台風の影響もあり風が強くあまりいい天気ではありませんでしたが、30人近くの方々にご来場いただきました。
 来週の講座も、楽しみです。
                    (報告/英語メディア学科3年 大坪智佳・小宮志保)
*次回は10月14日(水)に開催します。
テーマ: 若きブッダの悩み
講師: 毛利 俊英(本学非常勤講師)
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