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公開講座「思い出のチカラ~地域博物館と回想法~」を開催しました【生涯学習センター】

 6月4日(木)に本学8301教室において公開講座「思い出のチカラ~地域博物館と回想法~」を開催しました。講師は熊本大学五高記念館准教授の岩崎竹彦氏です。
 回想法とは、「記憶を活用した心理療法」の一つで、高齢者に過去を思い出していただき、それを語ってもらうことで認知症の予防、進行を遅らせることができるといわれています。若い介護福祉士は、高齢者の方々と何を話しすればいいのかわからない、と悩むそうです。その際、「私の家ではお正月に○○をしたりするの。おばあさん、おじいさんの家ではどのようなことをやっているの?」というように、お正月という民俗文化を話題として使うことで、高齢者は記憶を思い出し、それを語り、コミュニケーションを進めることができます。このように回想法と福祉には大きな関係があります。
 この回想法が医療や福祉の現場だけでなく、地域博物館でも実践されつつあります。博物館が閉館・廃館に追い込まれている今、できるだけ多くの人に「博物館は必要」と認識させることが持ち直すために必要です。博物館が所蔵している、人々が生活の全般にわたって使ってきた道具である民具は、記憶を思い出すのに有効的です。民具の活用は、その利用方法や価値の再発見、博物館と地域社会と高齢者福祉を結び付けるきっかけになります。地域の生活に密着した博物館を考える際、この回想法はさまざまな可能性を持っているようです。
                    (報告/発達臨床心理学科1年 川上采織里)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html