お知らせNews

【社会連携センター】公開講座「北のともしび」上映会&監督トークを実施しました

10月7日(土)筑紫女学園大学にて、ドキュメンタリー映画『北のともしびーノイエンガンメ強制収容所とブレンフーザー・ダムの子どもたち』が上映されました。監督は『花の夢-ある中国残留婦人-』や『美しいひと』といった戦争をテーマにした映画を作成されている東志津監督(以下東監督)です。今作を含めると3回目の上映になりました。東監督は在外研修員としてパリに滞在していた頃、現地の方から聞いた戦争のお話が忘れられず本作の制作に至りました。

 物語の舞台はドイツのハンブルク。第二次世界大戦が勃発する前年(1938)、かつてそこににはナチス・ドイツによって建てられたノイエンガンメ強制収容所がありました。この収容所はアウシュヴィッツ強制収容所から20人もの子どもたちが、結核の人体実験のために連れてこられたのです。親を亡くし孤児になった子や、家族と強制的に引き離された子までいました。国籍はバラバラですが皆ユダヤ人の子どもたちです。過酷な実験で衰弱しきった子どもたちは終戦の2週間前までは生きていました。ところが1945年4月20日の夜、人体実験の証拠を隠蔽するために20人はナチスの親衛隊によって命を奪われてしまいました。戦争が終結して30年経った頃あるドイツ人ジャーナリストによってこの事実が明るみに出るようになります。そこから彼らの死を忘れまいと活動する人が増えていきました。

 現在ヨーロッパでは”有志の学生“によるノイエンガンメ強制収容所の出来事を調べる活動が行われています。彼らは「戦争を負の歴史として反省するだけではなく、なぜこのようなことが起きたのか考え、今後に活かすための場」として捉えているところが印象的でした。参加者の方は東監督のこの作品に込めた「大切なのは考え続けること、忘れないこと」というメッセージを汲み取りながら視聴していました。

報告/人間科学部・社会福祉専攻・社会福祉コース2年 合谷曉