お知らせNews

「子どもの育ちを支える人のために~こころ・発達・関わり方~」(第3回)を開催しました。

9月13日(土)本学8103教室にて、「子どもの育ちを支える人のために~こころ・発達・関わり方~」(第3回)が開催されました。
第1回・第2回は幼児期のこころやことばの発達について講義が展開されてきました。第3回では、「思春期のこころをみつめ、よりそうには」をテーマに、本学発達臨床心理学科教授の藤原正博先生にお話しいただきました。
 「思春期」の本来の意味とは何なのか、また、現代における思春期の現状や、それを生きる子どもたちとどのように向き合ってゆけば良いのかということを段階を追って説明してくださいました。
今回の講座を通して受講者に伝えたかったことを藤原先生にお伺いしました。
「まず現代の思春期は、以前の思春期とはかなり変わっている、ということです。子どもたちを取り巻く社会環境が変わり、『規範』という一つの枠組みがないため、『自分とは何か』を考えたり、自分の同一性を確立したりするのは難しく、子どもたちも困惑しています。
『大人になりきれない』『他人とコミュニケーションがうまくとれない』『他人を思いやれない』…だから事件を起こしてしまう。そこをどうするか。
まずは、“地域”を再生させて、家庭単位ではなく地域も一緒になって学校を変えていくことをしなくてはならないと思います。
現在、“幼老共生”ということで、地域のお年寄りが小学校で授業を行ったり、伝承遊びをしたりする取り組みが行われています。こういったことから、コツコツと時間をかけて取り組みを行っていかなければなりません。」
家族の人数も減少し、地域としてのつながりも希薄な現代において、思春期の子どもたちと向き合うとき、これらの課題は重要であると考えさせられました。
 
また、受講者からは、「自分を表現することが苦手な子どもたちが増えているなかで、反抗期というのは『自分を出していくこと』だと思います。子どもたちがうまくそれを出せるように、親・教師・周りの子どもが、愛情をもった接し方をしていくことが大切なのかなと考えさせられました。」という感想をいただきました。
今回の講座を受講し、家族や地域・学校などが相互に関わり合うことによって人間同士のコミュニケーションやつながりを豊かにすることが、思春期の子どもと向き合う上で大切なのだということがよく理解できたと思います。
 次回は、10月11日の「個性豊かな子どもの育ちを考える」に続きます。
(報告/現代教養学科2年 元村菜津美)
公開講座の詳細・受講申込みはこちら