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【社会連携】『筑紫想い出カフェ』公開報告会を行いました

 11月29日、筑紫女学園大学にて「回想法を利用した福祉領域における博物館実践記」と題して、本学の博物館学芸員課程で取り組んでいる「筑紫想い出カフェ」の公開報告会が行われました。報告者は、博物館学芸員課程3年生の吉田さんでした。報告内容は、3年生が関わった3回の回想法(7月19日の「ワクワクハウス」でのアクティブシニアを対象とした回想法、8月23日の学内でのシミュレーション、10月10日の学生を対象とした回想法)と、10月22日・23日の筑紫祭での取り組みについてでした。(図1)

 今年度は、前期は通常の対面形式で実施し、後期は新たな形式の取り組みに挑戦しました。前期は去年から活動を続けている4年生が、5月から6月にかけて地域のデイサービス施設に受け入れていただき、昨年度オンライン形式だった回想法を今年は対面で実施しました。しかし後期はコロナ禍の影響で通常の回想法を行うことが難しく、その一方で、高齢者の認知症予防にとどまらない回想法の模索や、筑紫祭に向けてゼロから展示を作り上げる経験など、他では得られない体験もできました。活動を維持しようとしたことで、かえって活動の幅が広がったとのことでした。(図2・3)

 奥村俊久さん(福岡市経済観光文化局)、三角徳子さん(福岡市博物館教育普及専門員)、髙松麻美さん(太宰府市文化ふれあい館学芸員)、後藤夏実さん(同)より、それぞれの立場から貴重なコメントをいただきました。髙松さんのコメントによると、筑紫祭で回想法の活動について知ったという一般の方が、後日太宰府市文化ふれあい館を訪問されたそうです。その方は地域を盛り上げていくことに興味があるそうで、お互いに協力しあいたいという希望もお話しされたとのことでした。3年生の筑紫祭での活動が、学外でも思わぬ形で展開していたということを知ることができました。(図4)
その後の意見交換では、取り組みの更なる発展に向けたご意見や、コロナ禍以前に行われていた活動再開の希望など、一般参加の方々からも熱心なご意見をいただきました。

回想法の取り組みとしても、博物館学芸員課程での学びとしても可能性の新たな広がりを感じさせられる報告会でした。(図5)

(日本語・日本文学科3年 古賀柚子)