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公開講座「第24回仏教学研究室公開講義」③を開催しました【生涯学習センター】

 平成29年10月21日に大牟田文化ホールにおいて、第24回仏教学研究室公開講義「ビジュアル~親鸞の歩んだ道~③越後から関東へ旅する親鸞」を開催しました。講師は筑紫女学園大学非常勤講師の金見倫吾先生です。
 今回は、専修念仏の弾圧により、親鸞が流罪となって訪れた場所である越後での出来事について、親鸞越後七不思議の話を用いて講義していただきました。

 越後七不思議とは、越後国に伝わる珍しい事柄を集めたもので、特に親鸞の伝説に関わる7つの話が有名です。今回はその中でも「国府の片葉の葦」「田上の繋ぎ榧」「鳥屋野の逆さ竹」「小島の数珠掛桜」の4つの内容について、詳しく解説していただきました。これらの話には、片側にしか葉が出ない葦や、糸を通したような穴のある実がなる榧の木、枝垂れている竹、花がつながって咲く桜などが出てきました。実際に写真を見ながら講義を聞くと、確かに七不思議の話の通りに見えました。しかし、これらの植物は、実は新潟の気候が関係していたり、珍しい品種であるため、国の天然記念物に指定されていたりしているという事実を知りました。
 また、講義の中で特に印象に残った話があります。それは、七不思議の中の話には、一旦死んでしまう話が多いというものです。それは、死んでしまってもそれで終わりなのではなく、開けてくるものがあるということを表し、それによって浄土教の教えを分かりやすく説いたということが分かりました。
 他にも、親鸞の教えに見る「海」という話もしていただきました。親鸞が初めて海を見た場所は、親不知であると言われており、流罪によって上陸したのが、居多ヶ浜です。親鸞は、『顕浄土真実教行証文類』には105回、『正信念仏偈』には5回、「海」を使用しているそうです。親鸞が表した「海」には2つの意味があります。一つ目は、仏の願いは広く美しいという意味の「本願の広大さ」です。二つ目は、人間の欲望が生み出す醜い世界の広がりや、人間の欲深さを意味する「煩悩世界の無尽さ」です。

 講義を聞いて、親鸞が流罪された先である越後での生活や出来事を知ることができたとともに、親鸞の生き方を学ぶことができました。

報告/人間科学部人間科学科幼児保育コース4年 稲田愛貴(公開講座サポーター

*今後の予定は、以下のとおりです。

④10月28日(土)
関東時代の親鸞~関東での伝道・『教行信証』の制作~
講師:栗山俊之(現代社会学部教授)
⑤11月11日(土)
晩年の親鸞~善鸞義絶事件・往生~
講師:宇治和貴(人間科学部准教授)

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