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日文の学び **外国ルーツの児童・生徒の日本語教育** 基礎ゼミナール特別講義

基礎ゼミナール特別講義「外国ルーツの児童・生徒の日本語教育」を実施しました(2019.7.3)

皆さんがこれまで学んできた学校に外国ルーツのお友達はいましたか。

 今、日本では、急激に外国人が増えています。家族に連れられ日本に来た子どもたちは、自分の母語での学習を中断して、日本の学校に入ることになります。そこでは、日本語という新しい言語を学ぶこととだけではなく、教科の勉強も遅れずにしなければなりません。もし、自分だったらどうでしょうか。もし、だれも助けてくれる人がいなかったら?

 今、1万人以上ともいわれる子どもたちが無支援状態だと言われています。この問題について、日本語・日本文学科の1年生全員と他学科の学生も含め、いっしょに考える機会を持ちました。

 現在、福岡市は外国ルーツの児童・生徒への支援を全国でも先進的に行っていますが、その現場での取り組みについて池田尚登先生(福岡市日本語サポートセンター)をお招きし、お話を伺いました。また、実際に外国人児童の保護者としての立場をもとに、スリランカ出身のディヌーシャ・ランブクピティヤ先生(久留米大学)にもお話をしていただきました。

 1年生の感想をご紹介します。

 外国の子どもたちが日本人の子どもたちと一緒に教科書で学んだりするのはことばの壁、孤立感、文化など様々なハードルがあるということがわかりました。
 実際に日常会話は流暢でも学習についていけない子どもたちが存在し、福岡でも日本語指導が必要な児童生徒561人のうち、125人が無支援だと知り驚きました。このような現状で、周囲の理解や心がけ、気配りが必要になってくるんだなと思いました。

(日本語・日本文学科1年生 Y・Mさん)

 「家庭教師とまではいかなくても良いが、学校の先生に気をつかってほしい」ということばを聞いて、いっそのことそういう職業を作ってしまえばいいと思いました。
 教師が学内で見ているだけでは軽減される不安はごくわずかなのではないかと思いました。やはり家庭に赴くのが大切だと思いました。また、ナナメ上の関係が大切だと思います。親でも先生でもない近所のお兄さん、お姉さんのようなナナメ上の存在は子どもたちに良い影響を与えると思います。

(日本語・日本文学科 Y・Hさん)

 講義ではディヌーシャ先生のユーモアたっぷりのスリランカの様子も楽しく、あっというまの特別講義となりました。学生たち一人一人が、この問題について自分自身に引き寄せ、じっくり考える機会になっていればと思いました。