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ノートテイカー養成講座を終了しました

2009年6月22日、ノートテイカー養成講座は無事終了致しました。
 このノートテイカー養成講座は筑紫女学園大学に在籍している、聴覚障がいを持つ学生の講義の聴講の手助けとなるノートテイカーを目指す人のための講座です。現在大学には三名の聴覚障がいを持つ学生が在籍しており、彼女達の大学生活の支援を目的とする組織=ミューチュアル・サポート・グループ(MSG)によって支えられています。
しかし、講義の内容を文章化(ノートテイク)するための人材=ノートテイカーが中々集まらないのが現状で、支援には限界があります。そのため、今年度MSGは「要約筆記の会」の方々と連携し、初めてノートテイカー養成講座を立ち上げました。
「要約筆記の会」は聴覚障がいを持つ人達の支援活動を行う団体です。その名の通り、主に要約筆記により聴覚障がい者の情報保障をします。要約筆記=ノートテイクですが、「要約筆記の会」場合、ボランティアで活動しているわけではなく、有償で活動しているのがMSGとの違いです。この団体には主婦の方や社会人の方が所属されています。
 「要約筆記の会」の方々に講師をお願いして進めたこの講座では、「聞こえない」がどんなことか、「聞こえない」にも種類があること、ノートテイクに必要なこと、利用者(ノートテイクを依頼する聴覚障がい者のこと)が望むこと、実習などを行いました。聴覚障がいを持つわたしも参加させて頂きましたが、興味深い内容だったと思います。
 わたしにとって特に印象的だったのは実習でした。受講者の皆さんはほとんどの方が初心者でしたが、ノートテイクのノウハウを学んだ甲斐あって、初めてにしては内容をしっかり要約できていたように思います。
 しかし講座の中で講師の方が重きを置いていたのは心構えでした。ノートテイカーは確かに聴覚障がい者にとっては情報を入手するためのひとつの手段ですが、それだけにあまり気負いすぎないことが大事だと繰り返されました。無理を重ねると腕に負担がかかって手が動かせなくなることがあるからということも強調されていました。わたしも、確かに負担を感じてまでノートテイクを引き受けて欲しくないと思うので、無理しない程度にして頂きたいと思っています。
 この講座を通じて受講者の方たちが聴覚障がい者の存在や彼らが必要としている支援を知り、また講座で得た知識を生かして活躍していくこと、そしてその活躍の輪が広がっていくことを願ってやみません。
                  日本語日本文学科4年 稲田 真希
(写真上:「要約筆記の会」の方手作りの携帯ホワイトボード)
(写真下:ノートテイカー養成講座の準備ミーティング中のMSGメンバー)