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ダライ・ラマ14世が筑紫女学園で講演されました。

ダライ・ラマ14世が2008年11月5日(水)本学警固キャンパスへ来訪され、本学園中学・高校・大学・大学院生約1200人を対象に「現代を生きる君たちへ」と題してご講演いただきました。
ダライ・ラマ14世 生徒・学生へのメッセージは以下のとおり(一部抜粋)
若い皆さんは、勉強するということに精神を集中して、それに一生懸命励んでください。
私たち人間が他の動物たちと一番何が違っているかといいますと、優れた知性を持っているということ。知性を与えられたということは、私たちに素晴らしいポテンシャル、「未来への可能性」とうものが既に備わっているということです。
 それはつまり、様々なことを習って、知ることにより、たくさんの知識・教養を得ていくということが一番大切であることを意味します。しかし、「勉強する」ともうしましても単に「覚える」ということの意味ではありません。つまり、勉強で得たものを、自分自身の知性を花開かせていくための鍵として使っていくことが本当の「学ぶ」ということです。
人が「学ぶ(知恵を得る)」という過程では3つの段階が存在します。
第一の段階は、新しい情報を得て蓄えていくことです。それにより、知識・教養を得て自分の学力を高めていくことができます。
次に第二の段階では、学習で蓄えたものに対し知性を用いて考え分析し、心の中に自分が学んだことに対する確信を得る段階です。
そして最後の第三段階では、確信を得たことに対して何度も何度もさらに考え心に慣れ親しませていく段階が第三の段階にあたります。そのようにしていくことによって、確信に基づいた「学び(知恵)」というものが得られるわけです。これを仏教の中では「瞑想に基づいて得られる知恵」と言いますが、チベット語の「瞑想」という言葉は「自分の心を慣れ親しませていく・馴染ませていく」という意味です。自分の学んだこと、そして確信したことについて、自分自身が心を馴染ませていく段階にあたるわけです。
 以上の三つの段階を踏まえて、私たちは「知恵」というものを育んでいかなければなりませんが、先ほどもお伝えしましたたように一番重要なことは「自分の頭を使って考える」ということです。このことで私たちは「創造性」という力が備わっていくのです。
「因果の法」つまり、因があって初めて結果が生じるという、その因果の法則から理解して、命ある全ての人たちのためになるような行いをするということが大切ということを理解して、他の人たちを思いやる気持ちと二つ合わせて実践していかなければならないことを世界各地でお話しているわけです。ですから、ここでこうしてお目にかかることができた皆さま方にも、同じことを是非お伝えしておきたいというふうに思いました。
*ダライ・ラマ法王14世*
2歳で13世の転生者と認められ、5歳でダライ・ラマ法王14世に即位。1949年、中国のチベット侵略に伴い、15歳で政治・宗教の最高指導者となる。1959年インドへ亡命し北インドのダラム・サラにチベット亡命政府を樹立、以来、世界各地で慈悲と非暴力の教えを説き続ける。1989年にノーベル平和賞を受賞。現在、世界で最も注目されている、アジアを代表する宗教者の一人。