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公開講座「英語と英文学の世界」⑤を開催しました。【生涯学習センター】
12月2日(土)、太宰府市いきいき情報センターにて、公開講座「英語と英文学の世界⑤」を開催としました。講師は文学部英語学科教授の緒方隆文先生です。
最終回である今回は「感じてみよう~日本語と英語の違い」と題し、日英比較の視点から英語を学びました。
最初に、「虹は何色か?」という問題について考えました。現代の日本人であれば、虹は紫・藍・青・緑・黄・橙・赤の七色、と答える人がほとんどだと思いますが、実は時代や地域によって答えが違ってくるそうです。例えばアメリカではviolet、indigo、blue、green、yellow、orange、redの七色が、藍色indigoを青と区別せずに、blueとひとまとめにするアメリカ人が多いと聞きました。また古代日本語では虹は、紫・黄・橙・赤をアカ、藍・青・緑をアオとし、二色になります。
このように、どんな人種であってもどんな時代であっても目に見える色は同じなのに、それをどう認識するのかが異なってくるのです。このような違いが生まれるのは、言語や文化のフィルターによって解釈が変わってくるからだと先生はおっしゃいました。
また日本語と英語では話し手の視点が違うことを学びました。例えば自分がテニスの試合に負けたとき、日本語では「負けた」とか「やられた」などと、自分(私)からの視点で表現します。この時、主語は「私」になります。一方英語ではIlost.と言うことはあってもI’ve been defeated.とはまず言いません。英語では聞き手(あなた)からの視点で表現します。主語は「あなた」になります。You win. You beat me. (「あなたの勝ちだ」「あなたは私を打ち負かした」)と言うのが普通です。
日本語では、話し手が舞台の主役として出来事の経験者の視点から描写します。いわば主観的判断叙述の表現を好む言語です。これに対し英語は話し手が出来事の観客として叙述する客観的命題叙述の表現を好みます。
また英語は名詞中心構文、日本語は動詞中心構文になるという話がありました。例えばThe teacher’s absence provided a good opportunity for the pupils to get into mischief.のように、英語では「先生の不在が」という名詞を中心として表現しています。これをそのまま直訳すると不自然な日本語になってしまいます。というのも、日本語は動詞中心構文なので、「先生がいなかったので」と動詞を中心にして訳する必要があるからです。
全5回にわたって英語と英文学について見ていきましたが、どの回でも熱心にメモを取ったり質問される受講者が多くみられ、熱気あふれる講座となりました。
報告/文学部日本語・日本文学科3年 喜多彩圭(公開講座サポーター)
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