お知らせNews

公開講座「体験しよう!教育・保育の実際」①を開催しました【生涯学習センター】

 9月3日(土)筑紫女学園大学において、公開講座「体験しよう!教育・保育の実際①考えてみよう!子どもと「メディア」との関係を」を開催し、子どもの生活と「メディア」何が問題?何が大切?をテーマにご講演頂きました。講師は、人間科学部准教授の原陽一郎先生です。講座では、子どもと「メディア」との新しい関係のために私たちに何が出来るかについてお話しされました。
 まず、メディアにはテレビ・携帯・スマートフォン・ゲーム機・PC・タブレット・音楽再生機があり、全てにおける特徴はデジタルデバイスとそこからの情報があるところと学びました。では、それらがどのような影響を人に与えているかと言うと、生活の乱れ・自信がない・依存症・過激な表現・対人関係能力の低下(特に言葉の発達の遅れ)などがあげられました。2004年の2歳児の生活データでは1日に12時間もテレビを見ている子もいると知りました。スマートフォンが普及している現在では0歳からでもメディアに触れるような環境になっていることも、事実だそうです。赤ちゃん向けiPhoneケースや子どもが生まれてすぐにスマートフォンを持たせなきゃと思う親御さんもいるそうです。メディアは応答性が高く「快」が生じやすいため、中毒になりやすいと言われています。ゲームを50分間すると、覚醒剤を静脈注射したのと同じ位のドーパミンが放出されることが分かっています。結果、現在の子どもたちはより強い刺激・快を求めるようになり自身の体を使うことよりも目で見ることを優先してしまい、身体の発達やコミュニケーション能力の低下といった心身の発達が遅れるようになってきています。『コミュニケーション能力=人と関わる力は、実際のやりとりでしか身につかない!』です。子育てにおいて、メディアが多用されているのは、スマートフォンの普及により、メディアとの距離が縮まったことと考えられます。手軽に持ち運べ、自分の好きな時間帯に取り扱えるスマートフォンは、外出先での暇つぶしにも使えるとても便利なものです。最近では赤ちゃんをあやすためのアプリも多く出ています。しかし、その多くは特に発達を促すような意味のないものです。

多くの親御さんはこのことを知らずに子どもをあやすのに使っています。便利が故にそれに頼ってその分子どもとの直接的な関わりが減ったり子どもに必要な体験や経験が不足したりしています。子どもは気付いたら一人でも遊んでいますが、「子どもは遊びの天才」ではありません。「真似から遊びを生み出す天才」なのです。したがって、私たちが多くの遊びを知り、子どもと遊ぶことで子どもたちはそこから新しい遊びへ発展させていくのです。「出来合いのもの」に頼り、「メディア」に頼りすぎるのではなく自らが遊ぶことが大切だと分かりました。そして、今の若い親御さんたちは「子育て」を身近で見てきていないので、子どもと関わる能力は低い人が多いです。子育ての力は真似を通して獲得するものなので、ネットに頼るだけではいけません。したがって最近では少なくなっていますが地域での子育て、地域の繋がりが大事になってくると分かりました。

 

報告/人間科学部人間科学科人間形成専攻2年 岩男咲子・大賀万柚子

 

 

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html