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公開講座「アジア塾」①を開催しました。【生涯学習センター】

 6月20日(土)、太宰府市いきいき情報センターにおいて公開講座『アジア塾「日韓国交正常化50周年記念講演」』の第1回目の講演「国交正常化以後の日韓経済関係」を開催しました。講師はアジア文化学科教授の裵海善先生です。
 日本と韓国は国交正常化50周年を今年迎えます。そうした中で、国交正常化以後の韓国の経済成長の成果、日韓の経済関係と人的交流の実態と意義に関して講演頂きました。
 韓国は戦後から1961年までアメリカの援助を基盤に消費財軽工業を中心とする工業化が進んでいました。韓国での経済計画が本格的にスタートするのは、1962年、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領からです。朴正熙大統領は経済開発のための資金を調達するため、通貨改革、西ドイツへの労働者派遣、日韓国交正常化、ベトナム戦争への韓国軍の派兵を推進しました。
 日韓国交正常化以後、韓国経済は高い経済成長を記録しました。また、日韓の貿易量も増加し、日韓の国交が正常化した1965年以来約50年間、韓国の対日輸出額は722倍、対日輸入額は307倍増加しました。しかし、日韓貿易において問題は、韓国は1965年日韓国交正常化以来、対日貿易赤字が続いており、その赤字幅は拡大傾向であるとのことです。対日貿易赤字の主な理由として、日本の主な輸出品は韓国に比べて付加価値が高いものが多いこと、日本からの部品の依存度が高い経済構造になっていることです。日韓貿易赤字解消が韓国経済の大きな課題となり、韓国は部品の国産化、輸入先多変化制度などを進めています。日韓国交正常化以来、日本を追いかけるように成長してきた韓国は、いまは主力輸出品の半分以上を日本と競争することになりました。
 韓国と日本は経済的交流だけでなく人的交流も旺盛です。最近、訪韓外国人の中では中国人が最も多く、次に日本人ですが、訪日外国人訪問者の中では、韓国人数が1位であります。訪日韓国人数と訪韓日本人の推移を見ると、国内景気と為替レートの影響を多く受けているようで、日韓の政治関係の影響は思ったよりうけてないように見えます。

 今回の講演を聞き、戦後から現在までの韓国の経済成長の流れと特徴が把握てき、日本と韓国の経済面での交流について理解を深めることができました。お互いが自国の利益のためだけに競争するのではなく、協力し共存しあってこそ両国の経済も成長していくと感じました。

 

報告/文学部アジア文化学科4年 白武明莉(公開講座サポーター)

 

*今後の予定は以下の通りです。
② 6月27日(土) K-DoramaとK-Pop
講師:金智淑(LoveFM DJ、韓国語講師)
③ 7月 4日(土) ドキュメンタリーの向こう側
講師:東 志津(ドキュメンタリー映画監督)
※講座後、ドキュメンタリー映画「美しいひと」上映会および監督トーク(13:30-16:30)を予定しております。

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