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公開講座「文学と南(1)」③を開催しました。【生涯学習センター】

10月18日(土)14:00~福岡市赤煉瓦文化館にて、「文学と南」第一回~山之口貘 生誕111年を語る~を開催しました。

「文学と南」というテーマのもと、今年で生誕111年を迎える沖縄出身の詩人山之口貘の人と作品について考える全4回の講座です。第3回目の今回は、「山之口貘と琉球独立論」ということで、龍谷大学経済学部教授であり、琉球民族独立総合研究学会共同代表でもある松島泰勝さんが講座を担当されました。

1400年ごろ、日本が室町時代であった頃に琉球王国は成立しました。しかし、1872年の廃藩置県によって琉球王国は併合されてしまいます。さらに1903年頃からは「琉球的な物は良くない、日本的な物は良い」という考えのもと、「方言札」といって方言を喋ると学校で「方言を喋りました」と書かれた札を首から下げるという罰が行われていたそうです。実際に松島さんも小学生時代に、担任の先生の意向で「方言札」の罰を受けたことがあるそうです。自分の生まれ育った地方の方言を使うことを禁止されるなんて、どんなに辛いことかと思うと、非常に胸が痛くなりました。

また、先日イギリスからの独立を目指したスコットランドと同様に、沖縄にも詩を書きながら独立論を唱えている方々が多くいます。たとえば川満信一さんや高良勉さんなどは琉球独立論を唱えている詩人です。詩を通して独立に対する自分の思いを訴えるのです。貘さんの詩の中にも「沖縄よどこへ行く」のような「日本」と「琉球」のハザマで揺れ動くひとりの詩人の思いを表現した作品があります。

今回も定員を大きく上回る受講者の方々が参加していて、講座に対する関心が高いことが伺えました。また、質疑応答の際も多くの受講者の方が積極的に参加されており、白熱したものになりました。米軍基地やオスプレイ等の問題を抱える沖縄。私たちが住んでいる福岡からもそう遠くはない沖縄について、もう一度深く考える大変有意義な時間となりました。

報告/文学部英語学科2年 川﨑 梓(公開講座サポーター)

*今後の予定は、以下のとおりです。
司会進行:松下博文(文学部教授)
④10月25日(土)  バクさんを唄う・沖縄を唄う
ゲスト:大工哲弘(沖縄県無形文化財保持者)

●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/