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公開講座「奄美群島21世紀の可能性」を開催しました【生涯学習センター】

 12月14日(土)九州国立博物館ミュージアムホールにおいて、公開講座「奄美群島21世紀の可能性~復帰60周年記念~」を開催しました。

 第1部の奄美群島の島唄ライブと第2部の硬軟とりまぜた4本の報告は、それぞれに調和がとれていてとても充実していたように感じました。

まず、第1部は今年度の高円宮殿下記念表彰を受賞された川畑さおりさんの開演の祝唄「今日のほこらしゃ」から始まり、「行きゅんにゃ加那」「行きょおれ」など、奄美独特の唄と三味線のリズムが、栄ななこさんの太鼓(ちぢん)とともにミュージアムホール一杯に響きわたり、奄美民謡の特異な世界に思わず引き込まれてしまいました。また、「六調」という踊りを、三味線や太鼓に合わせて会場のみなさんが次々に踊り出したのにはびっくりしました。

第2部の前半では、メディアを通して奄美群島を長年見てこられた南海日日新聞社編集局長の松井輝美氏が、米軍占領下の奄美の日本復帰運動を、60年前の貴重な映像を交えながら詳細な資料とともに紹介され、続いて松下博文先生が奄美にルーツを持つ現代作家4人(一色次郎、干刈あがた、安岡伸好、安達征一郎)を取り上げながら、4者4様のアイデンティティの問題を紹介しました。

第2部後半では、九州考古学会会員の中島恒次郎氏が南島考古学で今いちばんホットな場所といえる喜界島をテーマに、古代律令国家における「大宰府と喜界島」との関係を、出土した土器の分類からに具体的に説明され、今後の都市計画の在りようについても貴重な提言をされました。

最後に、今年1月に「世界自然遺産候補地」として暫定リストへの登録が決定した奄美の自然環境について、30年以上にわたり奄美で自然環境の保護活動を続けてこられた常田守氏が、地元住民や行政との闘いを通してどのように環境保護を訴えてきたか、絶滅危惧種や稀少な動植物の写真をスライドで見せながら説明されました。

奄美群島の美しい自然や動植物の写真を見ながら、21世紀に向けて私たち若い世代が何をできるのか真剣に考えなければならないと思いました。

(文責:日本語・日本文学科4年 戸田千尋)

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