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公開講座「アジア塾」③を開催しました。【生涯学習センター】

10月24日(木)にアクロス福岡にて、公開講座『アジア塾』の第三回「東南アジアと日本・福岡」が行われました。
講師は筑紫女学園大学文学部准教授横山豪志先生です。

東南アジアの政治や日本、福岡との関係についてお話していただきました。現在福岡でアジアと言えば中国や韓国を思い浮かべる方が多いと思いますが東南アジア各国との間にも密接な関係があります。

東南アジアという名称や地域概念は比較的新しく生まれたものです。1943年に当時の連合国が対日戦略のために用いた名称がその始まりで範囲は現在の東南アジアとほぼ一致しています。

1967年決して仲が良いとは言えなかった東南アジアの各国が東南アジア諸国連合(ASEAN)を設立します。設立の目的は消極的なものでベトナム戦争のようなアメリカやソ連などの介入を防ぐことでした。1980年代になるとシンボルとしてのASEANの存在が大きくなりました。1990年代にはその拡大と制度化が進み、加盟国が増加し各国の経済的な結びつきも強まっていったのです。一国だけでは存在感が足りませんがASEANとしてまとめてアピールすることでその存在感は大国に劣らない物になります。

近代日本と東南アジアの関係は明治時代からしばらくは民間交流が中心でした。政府や軍が関心を持つようになったのは1930年代からです。1940年から45年の間は大東亜共栄圏を唱える日本が東南アジアのほぼすべての地域を占領してしまいます。ですが日本は戦争に負け、東南アジア各国に賠償金を支払うことになりました。その際現金ではなくダムや道路などモノを供与しました。これが日本の企業が東南アジアに出ていくきっかけとなったのです。

福岡で1989年にアジア太平洋博覧会が行われました。様々なイベントが行われたこの催しは東南アジアがその存在をアピールするきっかけとなりました。これ以降福岡では様々なアジア関連のイベントが行われていったのです。

私たちが考えているよりも東南アジアは私たちの周りに存在しています。また、周辺地域との関係など学ぶところも多いのです。大きな枠組みで見ていくことで様々なものが見え、より豊かな関係が生まれるでしょう。

この講座を通してより一層東南アジアについて知り、様々なものを見たいと思いました。また、授業で触れることの無かった部分に触れることが出来、とても有意義な時間を過ごせました。

報告/文学部アジア文化学科3年 原田 瞳(公開講座サポーター)

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