お知らせNews

公開講座「アジア塾」②を開催しました。【生涯学習センター】

10月11日、アクロス福岡にて「アジア塾~アジアの中のジェンダー(性差)~②韓国社会における男性」が開催されました。 講師は長崎外国語大学の佐々木正徳先生です。

佐々木先生は韓国社会における男性の立場をジェンダーを通してとても興味深く語ってくださいました。
一般的にジェンダーと言うと、社会的弱者の女性の立場から語られる性別役割分担の問題ばかりに視点が向けられますが、今回はそれが全く正反対の立場の男性を見つめたものでした。
1988年のソウルオリンピックに始まり、2000年代には先進諸国への仲間入りを果たした韓国は急激な経済成長を遂げました。以前は「遠くて、遠い国」だった韓国ですが、今ではビートルでわずか3時間の「近くて、近い国」となりました。K-Popやドラマ、映画などの大衆文化を通じて、日本と韓国の文化交流は一段と盛んになりました。その中で描写されている韓国の男性は筋肉質でかっこよく、日本人女性のあこがれの的です。しかし彼らは家庭の中でも、社会の中でも、大変に苦労をしていることがあります。
具体的には、家庭内では特に長男の場合、年に何度も開催される先祖の祀祭の儀式を執り行う重大な責任があり、それを支えるのは長男の嫁ということもあり、長男との結婚は敬遠されるそうです。

また、男性は18~30歳の間に2年間徴兵され、とても厳しくて辛い軍隊訓練を強いられるそうです。この徴兵制度の存続の議論はあるそうですが、「北(北朝鮮)があるから」という決まり文句に収まるそうです。
韓国社会では重要視される規範としての儒教と、故国のためという制度としての徴兵の二面から韓国男性を見つめると、必ずしも男性優位というわけではないことがわかりました。
会場には高校生から70歳代まで、幅広い年齢層で男女ほぼ同数の参加者があり、講演後の質疑応答も多く、韓国社会への関心の高さをうかがい知ることができました。

報告/文学部 人間福祉学科 4年 安山 久美(公開講座サポーター)


*今後の予定は、以下のとおりです。

③ 10月18日(木) インドの地域ガバナンスを変える女性議員たち
講師:喜多村百合(文学部アジア文化学科准教授)


●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/