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公開講座「気になる行動の見方とその対応」を開催しました【生涯学習センター】

5月19日(土)筑紫女学園大学において、公開講座「気になる行動の見方とその対応」を開催しました。
講師は、人間科学部人間科学科人間関係専攻の酒井均教授です。

この講座では、気になる行動について特に幼児の事例を使って、どのように見ていき分析していけばよいのか、それを基にしてどのように支援していけばよいのかを解説されました。

「気になる行動」といいますが、そもそも行動とは何なのでしょうか。行動とは生まれつきのものではなく、その基準はひとりひとり異なります。そのため「他の子ができるのだからあなたもできないとおかしい」といった考え方は誤りです。
まず、行動について考えるときは3つに分けて考えてみるそうです。これをABCフレームと呼び、Aは行動のすぐ前の状況で、動因や誘因といった行動を起こさせる何かがあるはずです。Bは行動、Cは行動のすぐ後の結果です。その後の結果が良いものであればその行動は今後も増え、嫌なものであれば減ります。
つぎに、気になる行動に対応ために行動を整理することです。「多すぎて困る行動と、少なすぎて困る行動に分け、それに介入する順位をつけます。第1位は危険な行動、第2位は破壊的な行動。ほかにも秩序を乱す行動、他者にとって不快な行動、発達に不適切な行動があげられます。
そして行動を具体的に観察し、日記などに記録していくことで行動パターンを把握します。行動パターンを把握する事で見えてくるものがあるはずです。また、その行動が未学習によるものか、誤学習によるものか見極めましょう。それから、目標行動を今できる行動からこどもができるステップ(スモールステップ)に整理しましょう。
そこまでできたら、行動に介入してみます。基本は3つです。1つ目は、こどもが適切なことをしたら褒める。2つ目は、こどもが不適切なことをしたら無視。この場合、こどもの行動が一時的にひどくなることがあります。3つ目は、こどもが不適切なことをしそうなときにそれに代わる適切な行動をさせる。たとえば、水遊びが好きでなかなかやめようとしない子に対して、無理にやめさせるのではなく代わりに皿洗いやお風呂掃除を教えるなどといったことです。

酒井先生は応用行動分析の理論と技法を一般向けに具体的な事例を交えながらわかりやすく解説され、受講者のみなさんも保育の現場で働かれている方が多いようで、メモを取りながら熱心に聞かれていました。

レポート/人間科学部人間科学科発達臨床心理コース2年 小野楓(公開講座サポーター)

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