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【先生、はじめまして!】 英語学科専任講師 飯田恵子先生へのインタビュー(2)

前回に引き続いての飯田先生へのインタビューですが、今回は飯田先生が現在在職されている日本航空での長年の乗務経験に基づくお話を伺っていきます。

 

―では、先生のもう一つの顔でもある客室乗務員についてのお話を聞かせていただきたいと思います。まず、客室乗務員になりたいと思ったきっかけは何ですか。

私は昔から晴天が大好きで、雨の日は何となく気持ちも晴れません。飛行機に乗って雲を抜け、輝く太陽を見る瞬間がとても好きでしたので、飛行機の中で仕事がしたいと考えたのがきっかけでした。実際にフライトをしてみると、眼下に広がるまばゆいばかりの雲海に感動しました。そして、機内でお客さまと心が通じ合ったと感じた時には、それ以上の感動を覚えました。

 

―うらやましいかぎりですね。フライト業務に関するエピソードなどがあれば教えてください。

機内食のケータリングスタッフとのエピソードを紹介します。国際線ファーストクラスでは、数種類のチーズを提供していますが、ある時期、搭載されているチーズトレイに手書きの説明書が添えられていました。そこには、それぞれのチーズの産地や製造方法、風味の特長やワインとの相性が、きれいな挿絵とともに丁寧に書かれていました。これは、あるケータリングスタッフが特別に手書きで作成したものでした。この説明書がお客さまの目に触れることはないのですが、作成したスタッフのお客さまへの想いが強く伝わってきました。私はこのスタッフの想いを必ずお客さまにお届けしなければと思い、その説明書を参考にして丁寧に説明しながら、お客さまにチーズやワインを楽しんでいただいたところ、大変好評を頂き、「これまでチーズがこんなに美味しいと感じたことはなかった。」と嬉しいコメントも頂戴しました。後日、お客さまからのコメントとお喜びの様子はケータリングスタッフにも伝えて共有することができました。この経験は、私自身がチーズコーディネーターの資格を取るきっかけにもなりました。客室乗務員は、普段お客さまと接する機会が少ない多くの社員からの「お客さまを思う気持ち」「お客さまへの感謝の気持ち」など、たくさんのバトンを引き継いで、自身のサービスを通してお客さまにお伝えしようと日々、工夫や努力を重ねています。

 

―さらに先生の日本航空での役職を見ますと、管理職となっていますが、そのような立場でフライト業務に携わることの大変さなどはありますか。

そうですね、管理職になるとフライト業務自体は少なくなるのですが、それだけに一層気合が入ってしまいます(笑)。良い意味での緊張感は保ちつつ、アットホームな雰囲気を作り、100%以上の能力を引き出してあげたいと考えています。管理職としてのサービス品質管理や、現場での育成は言うまでもないですが、加えて、乗務員が苦情を頂戴した際に、私がお詫びに伺うことで乗務員が安心して乗務できれば、管理職として自分の役割は十分果たせているのではないかと思います。

 

―それでは最後に、客室乗務員として第一線で活躍されている先生から筑女生へメッセージをお願いします。

コロナ禍で、希望する職種への就職に不安を感じる時もあるかも知れませんが、すぐにあきらめず、自身の能力と可能性を信じ、夢を持ち続けてください。そうすれば、時間がかかったとしても道は必ず開けます。企業で働く女性としての視点からも、みなさんにアドバイスできることもあるかも知れませんので、一人で悩まず、何でも相談してください。私たち教員は、みなさんのことを心から応援しています。

 

終始素敵な笑顔でインタビューに応じていただいた飯田先生。客室乗務員としての経験を活かして 今後も筑女生を熱く指導していってほしいと願っています。