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【地域で学ぶ】博多どんたく港まつりの調査をおこなっています

現代社会学科3年次通年科目の『社会調査実習演習』は社会調査を実際におこなうことでその方法を学ぶ授業で、社会調査士資格(一般社団法人 社会調査協会ホームサイトへのリンクです)を取得するためには必須の授業です。今年度は福岡市を代表するイベントの一つである「博多どんたく港まつり」について調査する予定でしたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大でまつりは中止、調査計画も大幅に変更になってしまいました。

そこで、夏休みまでは徹底して資料類の読み込みをおこない、秋になってCOVID-19の感染状況がやや好転したところでインタビュー調査を行いました。その際、屋外で聞き取りする、室内の場合は聞き手を最小限にするなど、例年にない対策も必要になりました。

どんたくは伝統的行事と現代的なイベントがミックスされた祭りで、インタビューを行う相手も多岐にわたります。伝統行事を担当する祭礼組織だけでなく、全体の企画運営をおこなう行政や広告代理店、協賛企業など、多種多様な組織や人が協力して成り立っているのが博多どんたく港まつりなのです。伝統文化がどのように現在のイベントと共存しているのか、莫大な経済効果を生み出すイベントの企画運営方法はどうなっているのか、協賛する企業は何を目的にどう協力しているのか等々、質問は尽きません。

神社に立ち寄った際には、ついでに「絵馬チェック」もおこないました。これは世間の人々の「思い」を知る手がかりの一つです。一つの願い事が社会全体に共有されているのかどうかを確かめるにはきちんとした調査が必要ですが、願い事の形で表出した個々の思いを知っておく事は、調査を設計する上でとても大切なヒントになります。「調査」というとアンケートのようなものが連想されがちですが、様々な方法があるということも知っておいてほしいと思います。