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疫病新型コロナ退散! 妖怪「アマビエ」ご存知ですか?

新型コロナウイルスの拡散で、社会的に暗いニュースが多いですね。

大学もしばらく休校にしたり、遠隔授業となっており、一刻も早く平常通りの状態になることを、教職員一同望んでいます。

 

そこで最近話題の「アマビエ」という妖怪ご存知ですか。

知らない人はネットで画像検索をしてみてください。

そこには「疫病退散」の文字と何やら不思議な生き物(?)の姿が出てくると思います。

アマビエとは、弘化3年(1846)、肥後国(熊本)の海中から現れた異形のもので、悪い病気の流行を予言し、それを避けるために自分の姿を写すよう告げて消えたそうです。

アマビエの出現を知らせる摺物(すりもの)には、奇妙なそして愛らしいその姿も描かれています。

突然現れ、疫病の流行や作物の豊凶を予言し、消え去るという不思議な生き物。

実は、アマビエだけでなく、江戸時代後期から、摺物や錦絵、地方新聞に、人面魚身の人魚、人面竜身の神社姫(じんじゃひめ)、人面牛身の件(くだん)、怪魚等がしばしば登場しています。そして、これらの姿を描いた図画は、庶民の間で疫病除けのお守りとして流行しました。

 

災いを予言する不思議な生き物、妖怪たちの特徴は、口承それだけでなく、共通して存在する人々の不安感、想像力と創造力、その時代のメディアと連動しているということが指摘出来るようです。

現代という時代では、その姿はネットにより拡散しています。

アマビエはキャラクターとしての展開がなされ、シールやキーホルダー等、様々な形で商品化されて、新型コロナウイルスの鎮静化を願う人々の間で流行しているのです。

さて、このアマビエ。人々の切実な願いに応えてくれるのでしょうか。

皆さんもその姿、描いて、貼ってみてはどうですか。

 

日本語・日本文学科教授 森田 真也

 

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