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基礎ゼミ特別講義「広がる世界」久保田なほみ先生

日本語・日本文学科1年生の基礎ゼミナールでは、今年も外部講師をお招きしての特別講義を開催しました。今回の講師・久保田なほみ先生は、現在福岡市内の中学校で国語教員として教壇に立っておられますが、JICA(国際協力機構)派遣・海外協力隊として中国・内モンゴル自治区での日本語教師のご経験をお持ちの、本学日本語・日本文学科OBでいらっしゃいます。

冒頭、ご自身も西アフリカ・ベナンでの活動経験がおありの、九州海外協力協会の赤司さんから、JICAが派遣する海外協力隊について、ご説明がありました。海外協力隊の名前は聞いたことがあっても、具体的なことはあまりよく知らない、活動内容や待遇面など、さまざまなことを知ることができました。

久保田先生からは、海外協力隊に参加することになったきっかけや、三か月にわたる研修生活、そして内モンゴルでの活動について、お話しいただきました。きっといろいろとあったはずのご苦労をあまり感じさせない、楽しい語り口に、学生も教員も引き込まれていきました。教える立場であるけれど、学生からたくさん教わっている、つまり「学び合い」なのだというお話しは、教員の立場としてとても共感しました。学生も多くのことを学び、感じたようです。以下、学生の感想をいくつか紹介します。

  • JICAとは、ODAの実務機関で、国の代表として国際協力を行うところだと、今回の講義で初めて知りました。約5万人の日本人が99の国に派遣され、世界の人たちと関わっていることに衝撃を受けました。派遣される前は、しっかりと研修に行き、それぞれが必要なことを勉強して「人の役に立ちたい」「いろいろな経験をしたい」という思いから、学び励ましあえる仲間とともに、海外で活躍していることに感動しました。
  • JICAについて名前しか知らなかったので、驚くことがたくさんありました。なかでも「選べる自由」という言葉が心に残っています。自分も選べる自由をもって勉学に取り組んでいたはずなのに、目の前しか見えなくなったり、周りが見えなくなったりして焦って遠回りになりがちだったので、改めて「学ぶ」意味を考えることができました。
  • 「生きるってなんだろう」「学ぶってなんだろう」「ふれあいで生まれる感情を大事にしたい」という、講師の方の気持ちや考えがとても素敵で、私もそのようなことを考えたり、感じたりできる人になりたいと思いました。
  • 現地の実態を知って、「生きる」ということ、「学ぶ」ということを考えたというお話は印象深く、私も自分自身を振り返ってよく考えたいと思います。
  • 内モンゴルの日本語教育のようすはとても楽しそうで、私も海外の方に日本語を教えてみたいと思いました。
  • 「人生はするかしないか」という言葉が心にしみました。結果としてうまくいかないことや、派遣されている間につらい事もあると思うけれど、絶対無駄な時間ではないし、貴重な体験になることもあると思うので、「する」を選ぶことが大切だと感じました。