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文学部企画公開講座「北のともしび」上映会と監督トークを開催しました

文学部の3つの学科の合同企画の公開講座として、ドキュメンタリー映画「北のともしび」を上映し、東志津監督にお話を伺いました。

この映画は、東監督の第3作目で(過去の2作品も筑紫女学園大学で上映しました)、第二次世界大戦中にドイツのハンブルグに設置されたノイエンガンメ収容所で起きた出来事がテーマになっています。ここに20人の子どもたちが人体実験のために連れてこられ、そして収容所の解放間際に殺害されました。映画は、戦後忘れられていたこの出来事を掘り起こし、子どもたちのことを遺族に伝えようと努力するジャーナリストや、現代の若者たちがこの事件について調べ、忘れまいとしている様子などをあたたかくまっすぐなまなざしで描いています。

まず、公開講座の前日の6日(金)に、大学内でプレ上映会と監督トークを実施しました。上映中、学生は「身じろぎもせずに」という表現がぴったりなほど真剣に見入っていました。上映後の感想には、「20人の子供たちが結核菌の人体実験のために集められ最後には殺されたという事実を知り衝撃を受けた。」「監督の『ここは亡くなった人と生きている人が出会う場であり、今を生きる私たちも励まされる』という言葉が素敵だなと思った。」「この悲劇を忘れてしまわないように、私自身も学び、平和であるにはどうしたらいいかを考えていきたいと思います。」といった、真摯な言葉がたくさん綴られていました。東監督にも学生の感想を読んでいただきました。

そして、7日(土)の公開講座の会場にはたくさんの方がおいでになり、熱心に映画をご覧になっていました。また、上映後の監督のトークでは、この史実と出会い、映画にしようと思ったいきさつや、撮影中に考えたことなどをお話いただきました。参加者の方からの質問や感想も次々と寄せられました。

後日、東監督から以下のようなメッセージをいただきました。

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10月6日、7日とニ日間にわたって「北のともしび」を上映して頂きました。

一日目の授業では、学生の方々にご覧頂きましたが、この静かな映画が、若い皆さんにどんな風に届くだろうと、楽しみであり、心配でもありました。終わってみれば、私の想像を遥かに超えて、映画は確実に届いたようです。真摯に語り、綴ってくれた感想が私の胸を熱くし、勇気づけてくれます。

二日目の公開講座では、私よりも先輩の年代にあたる方々に多くお越し頂きましたが、時を重ねた自身の人生に映画を引き寄せて観てくださった様子が印象的でした。映画の中の、犠牲になった20人の子どもたちに自分を重ね、心の底を絞り出すように感想を聞かせて下さった方の声には、ふいに胸を衝かれ、心を打たれました。

今回、撒かれた映画の種が、皆さんの心の水脈に行き届き、いつか花を咲かせる時があれば、これほどうれしいことはありません。このような機会を与えて下さった筑紫女学園大学の皆様、ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました。

東 志津

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私たちもこのような機会がもてたことを大変ありがたく思っています。筑女に足を運んでくださった東監督に心から感謝申し上げるとともに、ますますのご活躍を心から祈念しております。