各学科からのお知らせNews from Departments

日文 キャンパス説明会(ミニ講義・個別相談)へのご参加ありがとうございました。

6月4日(日曜日)のキャンパス説明会のご報告

  キャンパス説明会では、桐島薫子先生が「四コマ漫画で学ぶ故事成語―楽しみながら中国の古典に触れてみよう!―」というタイトルでミニ講義を行いました。また、学科全体のカリキュラム取得できる資格・進路状況の説明も行いました。

  講義では、まず、卒業生の田口萌子さんが、在学時に作成した「蛍雪の功」の四コマ漫画が紹介されました。内容は、貧しくて油が買えない「車胤」(しゃいん)は蛍の光を、「孫康」は窓の雪を、それぞれ灯火の代わりとして苦学し、成功したというものでした。次に、スコットランド民謡に作詞され広く知られている歌の「蛍の光、窓の雪」の歌詞、および、『漢検 四字熟語辞典』に収録されている、「蛍雪之功」・「孫康映雪」(そんこうえいせつ)・「車胤聚蛍」(しゃいんしゅうけい)の説明がありました。

 続いては、「孫康映雪」「車胤聚蛍」の出典『蒙求』(中国唐代の児童用教科書)の解説でした。今回の注目点は、『蒙求』では「孫康映雪 車胤聚蛍」(窓の雪・蛍の光)の順番に掲載されており、「蛍の光、窓の雪」の歌詞とは逆になっていたことでした。これは、なぜなのか?謎を解くカギは、『蒙求』の形式上の工夫にありました!

 すなわち、『蒙求』では、「標題」(ひょうだい)と称される「孫康映雪 車胤聚蛍」などは、子供たちが口ずさんで覚えやすいように、八句で一グループとし、偶数句に押韻するようになっていたのです。「蛍」は韻字なので「孫康映雪 車胤聚蛍」の順番になっていました。その他、『蒙求』の「標題」には、四コマ漫画のように、全体のストーリーがわかる漢文の「注」が付いていたことも説明されました。

 最後に、『蒙求』は、日本では、平安時代には「勧学院」で貴族の子弟が学び、幕末・明治期には個人の読書や漢学塾などで吉田松陰・福沢諭吉・夏目漱石が学んだことなどが紹介され、こうした例は、日本が中国の古典を受容しつつ、独自の文化を育んできた事例でもあると結論づけられました。

 また、キャンパス説明会では、個別相談も行われました。今回は、鴈野恵先生と吉野嘉高先生が担当し、資料を提示しながら、訪れた方々に説明をしていました。


 次回のキャンパス説明会は、7月15日土曜日です。高校生の皆さんのご参加をお待ちしています。