上村 真仁 - 教員紹介

キャンパスを飛び出し、九州各地や南西諸島の現場でリアルに学びましょう!

上村 真仁 教授

三菱総合研究所に11年、石垣島白保のWWFサンゴ礁保護研究センターに12年間勤務。サンゴ礁保全と地域活性化の両立に取り組む。地産マルシェ立ち上げ、伝統漁具復元、サンゴの街並み再生など、グローカルな活動を展開。

福岡県生物多様性戦略専門委員、太宰府市文化財保存活用地域計画策定協議会委員、対馬市SDGs総合研究所客員研究員を務める。

研究紹介

大学・大学院修士課程では、建築系の学科で、住まい・まちづくりと地球環境問題の関わりについて研究。1993年三菱総合研究所に入り、日本各地の地域づくりの計画策定に従事。奈良県シルクロードミュージアムの構想や、夕張、筑豊などの旧産炭地域の振興策、大分の休耕田で養殖するドジョウを使ったメニュー開発など、多くの地域でリサーチを手掛けてきました。その間、イギリスにも滞在し、地域の環境再生に取り組むグラウンドワークトラストの調査。ウェールズのC.A.T.(Centre for Alternative Technology)のスタッフとしても勤務し、エコビレッジやエコセンターの研究にも従事しました。

環境と共生した地域づくりを実践するため、WWFジャパンに転職し、2004年、家族と共に石垣島白保集落へ移住。WWFは、世界100カ国以上で活動する世界最大規模の環境保全団体です。人の暮らしの直ぐそばにある自然は、生き物にとっても重要ですが、そこに住む人々の暮らしや文化とも密接な関わりを持っています。そこで白保においては、独自の「サンゴ礁文化」に着目。伝統文化の継承と地域の活性化、サンゴ礁の保全の3つを統合的に進める地域づくりに地元の方々と一緒に取り組んできました。

私は、こうした地域の外から地域の活動を活性化させる自身の活動を「地域のカタリスト(触媒)」と定義しています。地域とともに活動する人材を育成することをライフワークとしています。

現在も、石垣島のNPO法人夏花の理事として、環境省やWWFと協力して他のサンゴ礁の島々へ白保モデルを展開しています。

また、石垣島での伝統的漁具「海垣(インカチ)」の復元活動を通して、類似の漁具を持つフランスやスペイン、ミクロネシアなどとつながり、国際ネットワーク “International Fishing Weir Association”を設立しました。さらに、台湾、韓国の研究者と連携して、東アジアの海垣群を世界文化遺産に登録するための運動にも取り組んでいます。「国連海洋科学の10年」に申請中の国際プロジェクトは、ICOMOS(国際記念物遺跡会議)の『遺産とSDGs:遺産と開発関係者のための政策ガイダンス』のSDG14の研究事例に選ばれました。

地域での実践活動をもとに研究を行うフィールドワークに一緒に取り組みましょう。

学位

博士(学術)、工学修士

最終学歴

[ 平成3年3月 ]
神戸大学工学部環境計画学科卒業

[ 平成5年3月 ]
神戸大学大学院工学研究科環境計画学専攻修士課程修了(工学修士)

研究分野のキーワード

  • 里海・里山創生
  • エコ・グリーンツーリズム
  • 移住・定住
  • コミュニティ形成

研究業績

過去5年間の主な著書、論文

[ 平成30年3月 ]
『里海学――人と海との新たな関わりを紡ぐ』 著書 共著 勉誠出版

[ 平成30年9月 ]
Characteristics of Residential Locations and Demographic Structural Trends of the Shiraho Rural Settlement on Ishigaki Island 論文 共著 Journal of Asian Architecture and Building Engineering

[ 平成30年11月 ]
I,Uターン者の移住動機と地域との関わりに関する研究- 石垣島白保集落でのWWFサンゴ礁保護研究センター職員に着目して - 論文 共著 『住宅系研究報告会論文集13』 日本建築学会

[ 令和元年11月 ]
石垣島白保集落での多様な居住者の関係構築を促す空間的・社会的要因に関する研究-集落内地域区分や地域活動への参加者に着目して- 論文 共著 『農村計画学会誌 38巻』 農村計画学会

[ 令和元年12月 ]
伝統的集落がIターン者を包摂する仕組みに関する研究-石垣島の6集落での公民館活動と県外からのIターン者の関わりの比較を通して- 論文 共著 『住宅系研究報告会論文集14』 日本建築学会

主な著書、論文

[ 平成24年12月 ]
『琉球列島の環境問題』 著書 共著 高文研

[ 平成29年11月 ]
「石垣島白保集落・サンゴ礁保全を核とした地域づくりの展開手法に関する研究」 論文 共著 『農村計画学会誌 36巻』 農村計画学会

[ 平成29年12月 ]
「石垣市白保集落における「白保村ゆらてぃく憲章」に基づく地域づくりに関する研究-伝統的な街並み修復事業に着目して-」 論文 共著 『住宅系研究報告会論文集12』 日本建築学会

[ 平成30年1月 ]
『地域環境学』 著書 共著 東京大学出版会

[ 平成30年12月 ]
『Transformations of Social-Ecological Systems』 著書 共著 Springer

主な社会活動

[ 平成22年3月 ]
地域環境学ネットワーク 運営委員(現在に至る)

[ 平成25年5月 ]
特定非営利活動法人石西礁湖サンゴ礁基金 理事(現在に至る)

[ 平成27年11月 ]
特定非営利活動法人夏花 理事(現在に至る)

[ 平成30年4月 ]
日本建築学会農村地域づくり小委員会 主査

主な担当科目

地域資源論、プロジェクトマネジメント、地域プロジェクト演習、卒業ゼミナールⅠ、卒業ゼミナールⅡ、ボランティア論、基礎専門ゼミナールⅠ、基礎専門ゼミナールⅡ、専門ゼミナールⅠ、専門ゼミナールⅡ、現代社会と地域デザイン、基礎ゼミナール

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