現代社会学部では、太宰府市高雄公園内のビオトープの外来種を駆除し、日本の在来種の保護を進めています。このプロジェクトは、太宰府市の協力のもと、委託管理をされている湊工業さん、環境調査会社の地域環境計画さんと一緒に活動を行う自治体・企業との連携事業です。

きっかけは、生き物好きな現代社会学部の学生さんと大学のキャンパス内にある高尾山の哺乳類について自動撮影装置を使って調査したことでした。高雄公園(漢字は間違いではありません)は高尾山の麓にあり、調査中に公園内のビオトープがオオフサモに覆われているのを見てどうにかしてはという話になりました。
また、この調査をもとに、「高尾山と高雄公園の自然」というリーフレットを作成し、太宰府南小学校の校区の全家庭に配布しました。

1年目の活動では、特定外来生物のオオフサモを池から除去しました。オオフサモは池などに人が持ち込んだのですが、流れ出して増えていきました。特定外来生物とは、外来生物の中で繁殖力が強く、日本の在来生物を大きく圧迫するものを環境省が指定します。そのまま移動させることも禁止されており、除去したオオフサモは一旦シートの上で乾燥させてから焼却しました。

2年目の活動は、コイやアメリカザリガニを取り除き、在来種を守るための池干しです。ビオトープには大小二つの池があるのですが、大きな池の水を抜き、大小のコイ19匹、アメリカザリガニ48匹などを除去しました。コイは貰われていき、保護された在来種は、一旦小さな池に放しました。本来なら多くいるはずのトンボのヤゴが3匹しかおらず、外来種、特にコイの影響の大きさが示されました。泥だらけになって大きなコイ捕まえるのは大変ですが、楽しく活動することができました。

3年目は、小さな池を干す予定です。また、これらの活動から、太宰府市内のビオトープのリーフレットを作成し、市内の全小学生に配布することを計画しています。