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公開講座「クロスオーバーアジア塾『本の生まれる磁場ーイギリス、インド、福岡ー』②書物が生んだ奇跡-インド伝統話芸「ダースターンゴーイー」悲願の復活
公開講座「クロスオーバーアジア塾『本の生まれる磁場ーイギリス、インド、福岡ー』②書物が生んだ奇跡-インド伝統話芸「ダースターンゴーイー」悲願の復活
- 2025年11月10日 -
11月8日(土)、2回目の2025年度の文学部公開講座クロスオーバーアジア塾が開催されました。本日の講義は、村上明香先生(アジア文化学科講師)による「書物が生んだ奇跡−インド伝統話芸『ダースターンゴーイー』悲願の復活−」でした。
本日の講義では、「ダースターンゴーイー」について学び、物語形式としての特徴と、その誕生からイギリス統治による消滅を経て、ふたたび復活するまでの歴史を深く知ることができました。ダースターンとは長編の伝奇物語を指し、私たちにも馴染みのある『アラビアン・ナイト』もその一つであると知り、非常に興味を引かれました。恋愛をテーマにした物語が多い点は、先週学んだイギリスの物語「バラッド」との共通性が見られ、非現実的な世界観など類似点もあるのではないかと感じました。
特に印象的だったのは、ダースターンが文字として残されるよりも、「語り」によって伝承されてきたという点です。「ダースターンゴーイー」の「ゴーイー」とは語り聞かせることだそうです。話芸を軸とし、語り聞かせる「ダースターンゴーイー」のスタイルは、超自然的世界を描いた物語をエンターテインメント性を追求して表現するもので、本を静かに読む物語鑑賞とは異なる魅力を持つと感じました。また、アラブ発祥であり、ペルシア語と文化を介してインドへ広まった歴史も興味深かったです。そのような魅力的なダースターンが、イギリスの統治下で低俗なものとされ、一度は消滅してしまったそうです。それが20世紀に復活する基礎となったのが、インドの出版社ナワルキショールプレス版『アミールハムザ物語』だったそうです。
講義では、100年ほど前のナワルキショールプレス版『アミールハムザ物語』の実物や、「ダースターンゴーイー」に用いられたと考えられる挿絵を収録した書物にも触れさせていただきました。色彩豊かで表情が細やかに描かれたミニアチュールが印象深かったです。特に目の描写が強く心に残りました。
筑紫女学園大学 中尾 優舞


