お知らせNews

公開講座「子どもの育ちを支える人のために~こころ・発達・関わり方~」の第1回目を開催しました

7月12日(土)本学8103教室において、公開講座「子どもの育ちを支える人のために~こころ・発達・関わり方~」(第1回)が開催されました。
昨年の公開講座「子どもの育ちを考える」に続き、今年は一歩踏み込んで、「子どもとどのように関わっていくか」ということに焦点を当て、全4回に渡って開催されます。
第1回目は「子どものまなざしとこころの発達」です。本学 発達臨床心理学科教授の板井修一先生より、乳幼児期の子どもの発達についてお話しいただきました。
子どもは生まれたときから「人」に対する特別な関心を持っており、生後1~2ヶ月の子どもは、人の顔や目・声に自ら出会おうとするのだそうです。そこから今度は他者と目を見つめ合うようになります。さらに生後9ヶ月頃になると、「指さし行動」が現れ、自分が関心を持ったものに他者の注意を引こうとします。これは発達の中で重要な意味を持っているそうです。同じものを二人の人間が一緒に見て、同じことを感じあう―― つまり「共感」できる交流を、子どもはこの頃からしているのだといいます。
「『共にひとつのものを眺める関係』は時間を共にする充実感や安心感、気持ちがひとつになる一体感を与えてくれる心地よいもの。子どもだけで遊ばせるのではなく、親も一緒にものを見たり体験したり、たくさんの子どもと関わりあうことが親子の関係を豊かにしてくれるのではないかと思います。」と板井先生はお話しくださいました。
講座終了後、幼稚園で働いておられたという受講者の方から、貴重な感想を伺うことができました。
「子どもが関わるとき、動物や自然を一緒に感じたり、ささいな会話を重ねたりして、心が通いあう毎日を過ごしていく中で、次第に子どもと打ちとけていったことを思い出しました。『気持ちが通じ合う瞬間を重ねることの大切さ』は、私が子どもと関わるときのポイントになっていたと思います。このことは、大人同士が人間関係をつくる中でも大切なことですね。」
大切なのは、子どもとお互いに見つめあうだけではなく、同じものを見て共感しあうこと。この感想からも窺えるように、子どもの育ちを支える人にとって有意義な講座となったようです。
次回8月9日は、「ことばの発達を考える」です。
(報告/現代教養学科2年 元村菜津美)
公開講座の詳細・受講申込みはこちら