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第11回 仏教文化講座「仏教入門」の第四回目を開催しました

7月2日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、仏伝に基づいてブッダの生涯を学ぶ 仏教文化講座「仏教入門」(第4回)が開催されました。
前回の講座「覚りへの道」に引き続き、第4回目は釈尊の初めての説法「初転法輪」について本学准教授の永久欣也先生がお話しくださいました。
釈尊のさとりの内容は縁起説だと言われています。事物はさまざまな原因や条件によって生じているという教えです。釈尊は、苦の根本である12の要因(無知、欲望、執着・・・生、老死)を順番に成立させ、また消滅させてさとりに至りました。
経蔵『サンユッタ・ニカーヤ』(雑阿含経)によると、さとりを開いた釈尊は、あまりに深遠で繊細で難解な真理のため、自我にこだわっている人々には理解されないのではないかと躊躇しすぐに涅槃に入ろうとしたと伝えられています。
そこへインドの神、梵天が説法を懇願しに出現し、熱意に押され説法を決意するのです。
このエピソードを聞いて、私は「もし釈尊がそのまま涅槃に入られていたら?」と想像しました。だとしたら「仏教」は生まれず、この公開講座も開かれず、私がこのレポートを書く機会も得られなかったでしょう。しかも当時、さとりの内容は「秘儀」であり多くの人に伝える習慣はなかったそうです。釈尊の偉大さと、今ここに居る奇縁を強く感じました。
初めての説法は、コルカタの北西、サールナートで行われました。
説かれたのは、
    ▽生存は苦である(苦諦)
    ▽苦の原因は無明と我執である(集諦)
    ▽これを離れたところに安らぎがある(滅諦)
    ▽そのために実践する道がある(道諦)
という「四諦八正道」です。聞きなれない仏教語ですが、生存の苦しみを煩悩の目ではなく正しい目で見つめ、離苦を目指す教えです。
また、煩悩から解放された弟子たちに、釈尊は、「真理を自分たちだけのものにせず、多くの人に伝えよ」と諭したそうです。こうして2500年もの間、法の輪が転がってこの講座へも届いたのですね。
最後に、釈尊が説法を決意したときの言葉「耳ある者たちに甘露の門は開かれた」の紹介があり、私の前にも門はすでに開いていると心強く思いました。教えを聞く耳を持って毎日を過ごしていきたいと実感する講座でした。
次回7月9日はいよいよ最終回。釈尊が亡くなるまでの日々をたどります。どうぞご参加ください。
(報告/大学院 人間科学研究科 坂口紀美子)
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http://www.chikushi-u.ac.jp/lecture/