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公開講座「子どもの心とウェルビーング」③を開催しました【生涯学習センター】

10月15日(土)筑紫女学園大学8103教室において、公開講座「子どもの心とウェルビーング③保育の現状と憲法」を開催しました。
講師は人間科学部人間関係専攻講師の宇治和貴先生です。
この講座は、「子ども」という共通のテーマに対し、心理と福祉の両側面からアプローチしていきます。第3回目の今回は、保育の現状を憲法と絡めながらお話をされました。
明治期の日本には、「社会」や「個人」といった言葉や、考えがありませんでした。今では当たり前ですが、当時は「個人」という考えも、その個人が集まって生活する「社会」というものの考え方はありませんでした。村の構成員としての人であり、その人独自の存在が認められない、という事に驚きました。お話を聞きながら、今では当たり前に享受している個人としての自分、というものがとても大切に思えました。
「日本国憲法」の起草に関わったベアテ・シロタ・ゴードンさんは、男女同権の根拠とされる第24条を書きました。彼女は、女性の権利・婚姻の平等を憲法の中に入れようとしましたが、多くの男性法律学者から反対されました。当時の日本人女性には、社会的権利はありませでした。そんな女性の権利を憲法に記す事はとても重要であり、それがあるからこそ今でも女性の権利は守られているのです。また、大日本帝国憲法から日本国憲法に変わり、主権は天皇から国民へ、国民は臣民という扱いから解放されます。今までの、国民の義務が中心として描かれた憲法から、国民の権利を保障する憲法に変わったのです。そこで新たな「福祉」という考えが生まれます。
福祉の問題で、保育制度改革について議論がなされています。待機児童の増加を理由に議論されているのですが、保育園側の経営や障がい児保育への少ない助成金の問題など様々点で議論がまだ不十分だということでした。なかでも、子どもにとって必要な環境が最優先に考えられていないことが何より問題です。保育の現状を知り、子どもにとって何が一番大切か、考える良い機会となりました。
皆さん熱心に講演に耳を傾けられ、疑問に思ったことはどんどん質問されていました。時折笑いが起こる場面もあり、終始和やかな雰囲気でした。
報告/文学部日本語・日本文学科4年 伊藤彩也香(公開講座サポーター)
*今後の予定は、以下のとおりです。
④10月22日(土)
テーマ:「発見された子ども」とは?-子どもの幸福論-
講師:浅田淳一(人間科学部教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちらから↓↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html