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公開講座「第17回仏教学研究室公開講義「親鸞~その思想をめぐって①」」を開催しました【生涯学習センター】

10月8日(土)飯塚市の浄土真宗本願寺派明正寺様に会場をお借りして、第17回仏教学研究室公開講義「親鸞~その思想をめぐって」①“本願~彼岸からの喚び声~”を開催しました。
講師は本学人間科学部人間形成専攻教授の中川正法先生です。
まず、紀元前後頃インドで起った新たな仏教運動である大乗仏教についてのお話から始まりました。大乗仏教は“自利利他円満の教え(他を救うことで自らも救われる)”あるいは“上求菩薩、下化衆生(上に菩薩を求め、下に衆生を化す)”という言葉で表される「菩薩」を中心に発展をとげました。菩薩とは「悟りを求める生きとし生ける者」です。成道以前の釈尊をさし、過去世にさかのぼって釈尊の前生をさす言葉として使われていましたが、大乗仏教において悟りを求める求道者一般を表す言葉となりました。菩薩の目的は求道の精神に基づいて、利他救済の願いを立て、その完成を目指し修行することです。そしてこの修行を完成することが自利利他を充たすこと、究極の菩薩に達し仏となること(成仏)とされています。この利他救済の菩薩の願いこそが「本願」なのです。
そして、本学の建学の精神である浄土真宗の依り所となっている経典は『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』であり、「浄土三部経」と呼ばれています。なかでも親鸞聖人は、『無量寿経』を「真実の教」とし、この経において説き示される「本願」を拠り所に、浄土真宗の教義体系をまとめられました。講義では、法蔵菩薩が苦悩する人びとを何とか救い遂げるために行と願とを選び取られたということを中心に、『無量寿経』の内容と四十八願について学びました。
『無量寿経』をサンスクリット語では「スカーヴァティー・ヴユーハ(極楽荘厳経)」と呼び、本学飛翔会館にあるスカーヴァティーホールは、このお経から名付けられたそうです。
仏教学研究室では公開講義を小倉、久留米など県内各地で開催し、今年は飯塚市での開催となりました。これから12月の初旬まで、5回にわたり親鸞聖人の思想について学んでいきたいと思います。
*今後の予定は、以下のとおりです。
②10月22日(土)
テーマ:自然~おのずからしからしむ~
講師:栗山俊之(短期大学部現代教養学科准教授)
③11月12日(土)
テーマ:悪人~親鸞の人間観~
講師:宇治和貴(人間科学部人間関係専攻講師)
④11月26日(土)
テーマ:往生~極楽と救済~
講師:宇野智行(文学部日本語・日本文学科准教授)
⑤12月10日(土)
テーマ:念仏~仏の名のりを聞く~
講師:小山一行(文学部アジア文化学科教授)
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