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第11回 仏教文化講座「仏教入門」の第三回目を開催しました

6月18日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、仏教文化講座「仏教入門」(第3回)が開催されました。
これまでに開催された第1回「ブッダの誕生」、第2回「若きブッダの悩み」に続き、第3回は「覚りへの道」というテーマで、ブッダが覚りに至る経緯や覚りの内容について、講師の本学准教授 中西直樹先生がお話しくださいました。
ブッダは苦行の見学や修禅を通して、「苦」と「楽」、「精神」と「肉体」、「理性」と「本能」に対する二元的な考え方に疑問を持ち、それを克服することを目指して苦行の道を歩みます。
その過程で、生と死、安楽と苦行を対立的にとらえ、一方を善とする考え方を拒否し、『必ずしも苦行が「善」で、欲望が「不善」ではない。苦行を絶対的善とする一面的な見方は自己満足と偏見を生む』として、苦行を放棄するのです。
そして、『絶えず二元的な考え方を批判し、相対化していく姿勢そのものが仏道である』ということを見出しました。
この考え方は、その後の仏教が固定観念や偏見から解放され、平和的・平等的あり方を展開していく源泉にもなっているようです。
講座後の質疑応答では、「ブッダの覚りの本質とは何なのでしょうか」という質問に、中西先生は「ブッダの覚った内容については多種多様な理解があり、『これこそがブッダの覚りの内容である』と定式化して表現することはできません。」とお話しくださいました。
また、ほかの受講者からは「今の世の中は常に選択肢があって偏った生き方しかできないでしょう。しかし仏教を学ぶことで右と左だけではなく、中間的な考え方も見えてくるようになるのではないかと思います。このような仏教の教えのもとに生きていけたらよいなと思いますね」という感想を伺うことができました。
今回の講座も、参加者が自身の生き方を見つめ直すことのできる有意義なものだったと感じました。
次回、第4回は「初めての説法」です。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
(報告/現代教養学科2年 元村菜津美)
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