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公開講座「文化財をまもり伝える~新しい博物館と修復の仕事~」を開催しました。

6月12日(木)本学スクヮーヴァティーホールにおいて、公開講座「文化財をまもり伝える~新しい博物館と修復の仕事~」が開催されました。
講師は、九州国立博物館学芸部 博物館科学課 保存修復室長の藤田励夫先生と、国宝修理装こう師連盟・技師長で(株)松鶴堂取締役の鈴木裕先生です。
この公開講座は3部構成となっており、第1部と第2部では文化財修理についてそれぞれの立場からのお話をうかがい、第3部では実際に修理作業の体験をするなどして「文化財をまもり、伝える」ことに触れてゆきました。
まず第1部では、藤田先生より、九州国立博物館の構造と博物館科学エリアについてのお話がなされました。
博物館科学エリアとは、九州国立博物館において文化財を研究・保存・修復を行うための施設で、文化財の材質に合わせて10部屋の修復収蔵庫が装備されているそうです。普段は関係者しか立ち入ることができませんが、一般向けに行なわれているバックヤードツアーでは、私たちも文化財保存修復施設を通して文化財を守る大切さを身近に体感することができます。
第2部は、「文化財の修理と保存」と題し、鈴木先生より映像を用いて解説がなされました。
文化財を修復するためには、まずじっくり観察することが重要で、その文化財に合わせた修復をするのが大切だということをお話し下さいました。
また、日本の文化財には伝世品が多く、建物には掛け軸をかけるための床の間があり、茶道などの日本独自の文化と宗教等が文化財を伝えてきたのだ、というお話が印象的でした。
そして、いよいよ第3部です。鈴木先生と、国宝修理装こう師連盟九州支部技師 中村隆博先生による文化財の修理作業「補修紙けずり」の実演を見せていただきました。講座参加者も実際に使用する修理作業の道具に触れたり、お経のレプリカを使って虫食い跡の修復を体験するなど、とても有意義な時間を過ごしました。
講座内容はとても専門的なものでしたが、わかりやすく解説していただき、文化財を通して日本文化の大切さを考えることができたと思っています。
(報告/アジア文化学科3年 出濱くるみ)
公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html