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第11回 仏教文化講座 「仏教入門」 を開催しました。

6月4日(水) 太宰府市いきいき情報センターにおいて、「第11回 仏教文化講座」が開催されました。
本講座は平成10年から毎年開催されており、今年で11回目です。これまで、仏教について様々なテーマを辿ってきました。
今回は原点にかえり、「仏教入門」をテーマに、ゴータマ・シッダールタ王子が覚りを開き、「ブッダ」(目覚めた人)となられた瞬間に誕生した仏教について、ブッダの生涯を通して、仏教の基本的教義を学んでゆきます。
まず、第一回目は「ブッダの誕生」。講師は、本学 日本語・日本文学科准教授の宇野智行先生です。
ブッダ誕生以前のインド思想や国家背景を交えながら、ゴータマ・シッダールタ王子が生まれ、どのような環境で沙門となり、仏教の礎となっていったのかをお話し下さいました。
ときは2500年前のインド。四姓(ヴァルナ)制度が既に確立された時代に、シャーキャ族の王である父・シュッドーダナの息子としてゴータマ王子は誕生しました。
バラモン教の思想を背景として、父は王子が王位を継承し、一族が繁栄する(=物質的利益)願望があった。ゴータマは王位を継がずに出家し、沙門(=バラモン教祭式文化、カースト制度への対抗者)となります。
沙門となったゴータマは、バラモン教を重んじる父の元に生まれながら、それを脱却する道を歩み、(1)カーストの否定(2)不殺生(アヒンサー)思想(3)出家主義のもとに生きたのです。
物質的利益を求める父の姿は、現代を生きる私たちにも重なるものがあるかもしれません。ブッダの生き方を知ることは、自分の生き方を見つめ直すきっかけになるのではないかと思いました。
受講者からは、「仏教の講座は何度か受けたことがあるが、新たな話が聞けてより理解が深まった」と、仏教が広く学ばれていることをうかがわせる感想をいただきました。
次週は「若きブッダの悩み」へと続きます。ぜひ、参加されてみてはいかがでしょうか。
(報告/現代教養学科2年 元村菜津美)