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公開講座「『アジア塾』~アジアの変化と民衆~②」を開催しました【生涯学習センター】

 10月28日(木)太宰府市いきいき情報センターにおいて、公開講座「アジア塾~アジアの変化と民衆~②韓国経済の50年の流れと成果」を開催しました。
 講師は本学アジア文化学科 裵 海善教授です。
 本講座は全3回を通して行われ、2回目の今回は韓国の経済政策をキーワードにして進められました。
 はじめに、なぜ50年という期間を見ていくかをお話しされました。韓国で経済政策が開始したのが1962年で、それまでは本格的な経済政策はありませんでした。つまり現在で約50年経ったということで、この50年間に注目するそうです。
朝鮮戦争で廃墟と化した韓国経済は完全にアメリカの援助(1949年~1960年代初め)に依存していました。1950年代、アメリカの余剰農産物の払い下げの特権を得て、「三白産業:砂糖、小麦、綿花」が興り、財閥が出現していきますが、現在の韓国の有名企業「三星」、「ラッキー」(現在のLG)、「双龍」はこの時スタートしました。
 1960年の4.19学生運動、61年の「5.16軍事クーデター」により、初代大統領李承晩から朴正熙へと政権が移ります。1962年から朴大統領による経済開発5ヵ年計画が始まり、1982年から経済社会発展計画へと名称が変わりますが、5ヵ年計画は97年まで続きました。
朴政権は政治的には軍事独裁政権であったとの評価がありますが、経済的には韓国の高度経済成長に最も貢献したとの評価を得ております。
 韓国は1996年には念願のOECD会員国になりますが、1997年IMF経済危機により大きな挫折を経験します。しかし、短期間でその危機を乗り越え、現在の韓国経済規模は世界15位(2009年)、2010年上半期の輸出額は世界7位という成果を上げています。また、韓国経済のグローバル化と共に、IT産業では日本を上回るブランドがあらわれています。
 しかし、現在の韓国は低経済成長率と若年失業率、高齢化と出産率低下、国内の投資率減少、デジタル・デバイドなど、日本と共通した経済問題があります。
 質疑応答では、今後の北朝鮮との関係についての質問が多く、日本と近いのに知らないことが多かった、日本と韓国の経済問題が似ているのに驚いたという感想が数多くでました。
 和やかな雰囲気の中での講座で、知っているようで以外に知らなかった韓国経済を学ぶことができ、有意義な講座になりました。
 
                      (報告/日本語・日本文学科 2年 松本 美菜子)
*今後の予定は、以下のとおりです。
③11月 4日(木)
テーマ:東南アジアの民主化と民衆運動
講師:横山豪志(アジア文化学科教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら↓↓↓
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html