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第11回 仏教文化講座「仏教入門」の第二回目を開催しました

6月11日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、仏教文化講座(第二回)が開催されました。
先週行われた第一回講座「ブッダの誕生」では、シャーキャ族の王位を継承する父の元(在家)から出家し、沙門として生きてゆくまでのブッダについてお話がありました。
第二回目の講座は、「若きブッダの悩み」です。本学非常勤講師の毛利俊英先生より、ブッダの青年期から出家に至るまでの苦悩についてお話しいただきました。
ブッダの苦悩について、彼の死後500年後に著された仏伝『ブッダチャリタ』から、「四門出遊」を中心に解説がなされました。
父シュッドーダナが、王子(ブッダ)を出家させないように世の無常や不条理に触れさせない人為的な空間を作り、快楽を追求させる一方で、ブッダは老・病・死の現実に直面し、それを自分のこととして見つめることで、生きるとは何か、本当に命のあり方とは何かを考えます。そして、善(=本当の幸せ)を求めて出家したのです。
「幸せとは何でしょう」
毛利先生が講座の冒頭でなさった問いかけです。このことについて毛利先生は次のようにおっしゃいます。「『幸せ』と聞くと、快適さ・美しさ・豊かさ・若さ・健康・生存などを浮かべるのではないでしょうか。これはシュッドーダナの願う幸せ、つまり『(人為)=(人)+(為)=(偽)』」的なものです。私たちはこれにとらわれ、本来の命のあり方(老・病・死)を見つめられているのでしょうか」。
私たちは本当の命のあり方(老・病・死)を自分のこととして見つめられているのか、受講者一人一人が静かに向き合っているように見えました。
生き方と向き合う、そういった精神的な探究を大切にする仏教のあり方を学ぶことができる、そんな講座だったように思います。
次週の講座は第三回「覚りへの道」です。
ぜひ参加されて、心を落ち着かせて自分と向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
(報告/現代教養学科2年 元村菜津美)