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公開講座「地域の“元気”は博物館から―直方谷尾美術館の試み」を開催しました【生涯学習センター】

 6月3日(木)本学8302教室にて、公開講座「地域の“元気”は博物館から―直方谷尾美術館の試み」を開催しました。講師は直方谷尾美術館学芸員の中込潤氏です。
 直方谷尾美術館は、古い病院を内部のみ改装した建物も楽しめる、地域や子どもに美術に親しんでもらおうとさまざまな活動をしています。
 直方谷尾美術館の正式名称は直方市美術館で、最初は地元実業家の谷尾氏による私立美術館でした。谷尾氏が亡くなったあと2001年から直方市美術館となりその直後は、明確な美術館の方針が決まっていませんでした。そこで福岡にゆかりのある作家を支援し、地域や子どもに親しみやすい美術館という方針でさまざまな活動を行うようになりました。
 最初は授業で利用してもらおうと市内の学校に呼びかけても、なかなか利用してもらえませんでしたが、親子イベントを開催していくと徐々に学校利用がふえました。学校利用が増えたことで、一般の方と小学生が鉢合わせします。すると一般の方から「小学生の絵のとらえ方は面白い。」と言われるようになり、この意見に注目して、子どものための美術館をスタートさせました。
 子どものための美術館は子どもスタッフを募集し、子どもが学芸員として展覧会を実施します。作品に触れるだけでなく、さまざまな活動を通して子どもは自信をつけていくそうです。最近は美術館の外にまで活動を広げ、商店街のアーケードのビッグフラッグ、相撲の直方場所のタペストリーも作ったりして美術館では得られない体験もしています。今年は美術を通して町作りに関わっていくそうです。
 このほかにも、美術館から遠い学校には移動美術館事業、筑豊の同規模美術館による筑豊美術館ネットワークなどのお話しをされました。「美術館が地域の元気の素になって欲しい」という言葉が印象的でした。
 受講者からたくさんの質疑応答があり、地域と美術館との関わりを考えるとても有意義な講座になりました。
                (報告/日本語・日本文学科2年 松本 美菜子)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html