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公開講座「メディアと共に生きる現代社会~映像メディアをよりよく理解するためのメディアリテラシー~」②を開催しました【生涯学習センター】

 6月12日(土)太宰府市いきいき情報センターにおいて、「メディアと共に生きる現代社会~映像メディアをよりよく理解するためのメディアリテラシー~第2回かつては映像メディアの中心でもあった映画について」を開催しました。
講師は本学英語メディア学科の一木順教授です。
 本講座は全4回の講座を通じて、メディアと共に生きる生活をより豊かにしていくことに主題をおき、2回目の今回は、娯楽・メディアとしての映画に焦点をおきました。
 映画は娯楽としてエジソンによって誕生しました。エジソンはミシンをヒントとして映像記録機械を作り、リュミエール兄弟により原則的に今と同じシネマトグラフが発明されました。彼らの映像は1分ほどの映像でしたが、当時の人々はお金を出して見に行きまるで飛び出してくるような映像に魅了されました。しかしエジソンはこの人気は長続きしないと考えており、以後エンターテイメントとして成立するために、技術革新と映像テクニックの開発を繰り返していきます。
 映画により「映像で観衆の知覚を支配できる」ということが発見され、映画の誕生から10年間で異なるショットを繋げてひとつの物語にする作品も生まれました。
D.W.グリフィスによる「国民の創生」は、写し方によって見る印象が変わることに気づき新しいカメラアングルとサイズを作りだすと同時に、どのような映像をどのようにつなぎ合わせるかによって物語を生み出すことができることを発見した映画でした。これは現代に繋がる映像テクニックです。
 また、戦争教育にも使われるようになりました。米軍が作成した「汝の敵日本」はプロパガンダの名作と言われ、反復法・対照法・対位法を駆使した技術は日本の理解不能性を強調しており、これが名作と言われる理由です。映画は戦争に利用されましたが、テクニックの向上という面ではプラスでした。
 最後に映画だけでなくメディア一般においてどこまでがリアリティで創造なのか見極める力が必要だということを話されました。
 今では見る機会のない映像を見ながらの解説など、映画の新しい一面を見ることができる講座でした。
                  (報告/日本語・日本文学科2年 松本美菜子)
次回は、6月19日(土)に開催いたします。
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html