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公開講座「第13回仏教文化講座「親鸞~その思想をめぐって」①を開催しました【生涯学習センター】

 6月2日(水)太宰府市いきいき情報センターにおいて、第13回仏教文化講座「親鸞~その思想をめぐって」①“本願~彼岸からの喚び声~”を開催しました。
 講師は本学人間福祉学科教授の中川正法先生です。
 まず、紀元前後頃インドで起った新たな仏教運動である大乗仏教についてのお話から始まりました。大乗仏教の特色のひとつに菩薩思想があり、“自利利他円満の教え(他を救うことで自らも救われる)”あるいは“上求菩薩、下化衆生(上に菩薩を求め、下に衆生を化す)”という生き方です。菩薩とは「悟りを求める生きとし生ける者」であり、これは成道以前の釈尊をさし、過去世にさかのぼって釈尊の前生をさす言葉として使われていました。大乗仏教において菩薩を求める求道者一般を表す用語になったのです。菩薩の目的は求道の精神に基づいて、利他救済の願いを立て、その完成を目指し修行することです。そしてこの修行を完成することが自利利他を充たすこと、究極の菩薩に達し仏となること(成仏)とされています。よって、菩薩の願いこそが「本願」であるのです。
 
 本学の建学の精神である浄土真宗の依り所となっている経典は、『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』であり、「浄土三部経」と呼ばれています。親鸞聖人は、『無量寿経』を「真実の教」として大切にされました。『無量寿経』をサンスクリット語では「スカーヴァティー・ヴユーハ(極楽の荘厳)」の経と呼び、本学飛翔会館にあるスカーヴァティーホールは、このお経から名付けられたそうです。講義の中心は、阿弥陀仏となられた法蔵菩薩が苦悩する人びとを何とか救い遂げたいというお心で立てられた「本願」
のおいわれと内容についてでした。
 今回、初めて公開講座に参加させていただき、会場に入りきれないほどのたくさんの参加者の方々を見て、仏教は今も昔も私たちの生活に身近な存在として生きているのだなと思いました。筑紫女学園の学生として、仏教の伝来が私たちにどのような影響を与えてきたのか、これからも積極的に学んでいきたいと思います。
                     (報告/人間福祉学科3年 米倉杏菜)
次回は、6月9日(水)に開催いたします。
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html