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公開講座「こどもと家族① 少子化社会の子どもと家族」を開催しました【生涯学習センター】

 5月22日土曜日、本学8号館8103教室において、「こどもと家族① 少子化社会の子どもと家族」を開催しました。全4回の講座で、子どもと家族の関わりについて考えていきます。今回の講師は、本学発達臨床心理学科准教授の徳永勇先生です。
 まずは、グラフをもとに少子化の推移と動向についてのお話がありました。少子化といえば過去10年ほどの問題だと思っていましたが、60年前からすでに少子化ははじまっていたとのことでした。1950年代から子どもを少なく大事に育てようとする、産育の計画化が定着し、1970年代半ばからは晩婚化・非婚化の進展、2005年にはさらに既婚女性の出生率低下という動きがありました。その背景には、経済の低成長が所得減につながり、女性も家計を支えなければならなくなり、子育てが苦しくなる現実がありました。
 次に、家族のリスク化について見ていきました。本来、家族はリスクの軽減・セーフティネットの場ですが、離婚・虐待・DVというリスクを発生させる源となっていることも少なくありません。貧困のリスクにさらされている子どもも増え続けています。経済的に苦しい家庭が増えていますが、生まれてくる子どもは家族を選ぶことができません。そして人生は無知のヴェールに覆われており、何が起きるか分かりません。だからこそ福祉・保障は大切なものであり、特に子どもの社会保障の充実が必要です。
 この講座を通し、社会の変化の影響を一番に受けるのは家庭であり、特に子どもであると感じました。講座後の質問では、精神面の貧困を嘆く意見、家庭力の低下についての真剣な考えなど、貴重な意見を聞くことができました。私たち学生も数年前までは子どもとして扱われてきましたが、社会に出る者としてこれらの問題について考える必要があります。自分が社会の一員として考えるべきことを発見できたよい機会となりました。
                    (報告/日本語・日本文学科3年 田原 夏美)
*次回は、6月26日(土)に開催します。
  テーマ:保育者が子どものことを親とわかりあえるために
  講師:大元千種(本学准教授)
●公開講座の詳細・受講申込みはこちら
http://www.chikushi-u.ac.jp/campaign/lecture/index.html